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前近代的非科学的野球

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第三章

「他のチームも頑張ってるんだ」
「父ちゃんがセリーグで応援してる横浜もだよな」
「ヤクルトも広島もでな」
「特に広島今年凄そうだよな」
「中日も監督がまともになったらな」 
 そうなればというのだ。
「わからないからな」
「だからだよな」
「阪神に対抗出来るチームはな」
「巨人だけじゃないか」
「そうだ」
 息子にその通りだと答えた。
「セリーグもっと言うとプロ野球はな」
「そうだよな」
「しかしこいつはな」
 またテレビを観て話した。
「巨人しかないんだよ」
「頭の中にか」
「他のチームのことは言ってもな」
「巨人しかないからか」
「的外れなんだよ、ただ現役時代エースでな」
 そうであってというのだ。
「その頃だけ凄くて天狗になってな」
「ずっとそのままかよ」
「その頃は昭和でな」
 年寄りが減益だった頃はというのだ。
「父ちゃんも生まれてなかった」
「祖父ちゃんの頃か」
「岩手のな、その祖父ちゃんも巨人嫌いだしな」
「祖父ちゃん阪神ファンだったな」
「ああ、それでな」
 息子にさらに話した。
「その頃からこいつ嫌いだったってな」
「言ってるんだな」
「ああ、そうだよ」
 まさにというのだ。
「口も態度も悪かったらしいな」
「何だよ、その頃から変わってないのかよ」
「父ちゃんが生まれる前からな」
「そんな奴かよ」
「父ちゃん今四十だがな」
 その歳だがといいうのだ。
「その十年位前からな」
「こいつこんなのかよ」
「今と昔は違うんだ」
 それこそというのだ。
「だから野球だってな」
「変わってるんだな」
「そうだ、しかしな」 
 それが現実だがというのだ。
「こいつはどうもな」
「わかってないんだな」
「昭和も長くてな」
 年寄りが現役だった頃はというのだ。
「昭和の一桁と四十年代じゃ全然違ってな」
「昭和のその頃と今もか」
「五十年以上経ってるんだぞ」
「それじゃあ全然違うか」
「今観テレビだってまだ白黒あって画面小さくてな」
 そうしたテレビでというのだ。
「ストーブも古くてクーラーなんてな」
「なかったんだな」
「風呂だってガスだぞ」
「全然違ったんだな」
「ああ、下着もボクサーじゃなくてブリーフがあってな」
「ブリーフって何だよ」 
 水昇はこの下着を知らなかった。
「クラスじゃ皆トランクスかボクサーだよ」
「昔はその下着多かったんだよ」
「そうなんだな」
「スマートフォンもパソコンもなくてな」
 こうしたものもいうのだ。
「アヒージョもパエリアも知らなかったんだぞ」
「一体どんな時代だよ」
「昔はそうだったんだよ、それでな」
 さらに言うのだった。 
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