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ハワイ仕込みの英語

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第二章

「イギリスの中でも違うしね」
「その英語の国でもですか」
「違いますか」
「あの国は連合王国だね」
 このことから言うのだった。
「イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドで」
「あっ、四つの国でしたね」
「四つの国から成り立ってましたね」
「そうした国でね」
 英語の母国イギリスはというのだ。
「それぞれの国で方言があるよ、そしてアメリカでもね」
「ありますか、方言が」
「そうなんですか」
「イギリスの英語とも違っていてね」
 アメリカの英語はというのだ。
「しかもそれぞれの地域でね」
「方言があるんですか」
「アメリカは」
「それも広い国だから」
 このこともあってというのだ。
「地域差が凄いんだ、あの人はシカゴ生まれだったみたいで」
「ああ、あの五大湖の方にある」
「アル=カポネもいた」
「僕はハワイ、もう方言の違いがね」
 これがというのだ。
「凄くてね、しかも彼のそっちの訛りはかなりで僕もね」
「ハワイ訛りですか」
「それがあるんですか」
「ハワイでよく言われていたよ」
 閉店後の店員達に話した。
「訛りが強いって、それで訛りの強い人同士だとね」
「同じアメリカ人の英語でもですか」
「わかりにくいですか」
「お互いにね、それでだよ」
 こうした事情があってというのだ。
「お互いたどたどしいと思ったけれど訛りなく覚えているね」
「日本語で、ですか」
「やり取りをされたんですね」
「そうだよ、本当に同じアメリカの英語でもね」
 アメリカ人同士のやり取りでもというのだ。
「広い国で訛りも凄いから」
「だからですか」
「英語でのやり取りよりも他の国で話した方がいい場合もありますか」
「そうだよ、それでやり取り出来てよかったよ」 
 笑顔で言うのだった、そのうえで閉店後の掃除を自ら率先して行った。店員達もそういうこともあるのかと納得して一緒に掃除をした。そしてそれからも奈良において店を明るく営業していくのであった。


ハワイ仕込みの英語   完


                  2024・3・25 
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