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八条学園騒動記

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第七百四十三話 十支族の謎その七

「皆出ないのよ」
「イスラエルの人達は」
「そうなのね」
「そして入る人も」
 今度はそうした人達の話をした。
「これはもっとわかりやすいわね」
「うん、よくね」
「わかるわ」
 二人もそれはと答えた。
「ユダヤ教ってね」
「厳しいからね」
「あれするなこれするなで」
「罰則も厳しいよね」
「冗談抜きに戒律が法律でね」
 ユダヤ教の教義がイスラエルの法理になっていることも話した。
「それに反したら」
「罪に問われて」
「裁判よね」
「それで刑罰も厳しいのよ」
 罪に問われるだけでなくというのだ。
「これがね、旧約聖書の再現みたいね」
「ああ、神罰だね」
「旧約聖書じゃよくあるね」
「同じ人が出ていても」
 そうであってもというのだ。
「コーランとは全く違うのよ」
「コーランって基本ハッピーエンドなのよね」
 ウェンディが応えた。
「登場人物基本熱血でね」
「逆境だと燃え上がってるでしょ」
「それで苦難を跳ね返してね」
「見事目的を達成して終わり」
「そんな展開よね」
「ダビデさんもソロモンさんもハッピーエンドだし」
 尚名前はアラビアのそれになっている。
「キリストさんすら死なない」
「少年漫画並のハッピーエンドよね」
「ギリシア悲劇とか歌劇は誰か死んでハッピーエンドね」
「そうした展開多いわね」
「けれどコーランはほぼ満点のね」
「ハッピーエンド多いわね」
「けれど旧約聖書は違うでしょ」 
 アンは改めて自分達の教典の話をした。
「バッドエンドばかりで」
「神罰凄いね」 
 セドリックが言ってきた。
「微塵も容赦ないね」
「そうでしょ」
「そこまでやるかっていう位に」
「多分あらゆる宗教で一番凄いわよ」
 神罰の質がというのだ。
「ユダヤ教は」
「そのユダヤ教の教義が法律だから」
「イスラエルだと刑罰が厳しいのよ」
 そうだというのだ。
「裁判官の人もね」
「そこを配慮するから」
「検事の人も。弁護士さんがいても」
 それでもというのだ。
「教義が絡むとね」
「弱いんだね」
「そうなのよ。他の宗教の人が来ても」 
 イスラエルにというのだ。
「物凄くね」
「疎外されるんだね」
「そうしたお国柄だから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「入る人もいない」
「そうなのね」
「だからそのままね」 
 イスラエルの人種構成はというのだ。 
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