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運動会は昔地獄だった

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第二章

「他の学校はね」
「あの服の学校は」
「困ってるらしいわ」
「動きやすいからあのウェアよね」
「そうだけれどね、そういえば」
 ハニーはこうも言った。
「昔の日本の学校体育の時ブルマだったわね」
「昭和の頃はね」
「あんなの穿いてたら」 
 そうだったらというのだ。
「もうすぐに裾が上がって」
「下着見えるわね」
「それにデザイン自体が」 
 ブルマのというのだ。
「ウェアとね」
「変わらないから」
「あの恰好で運動会やったら」
 それこそというのだ。
「もうね」
「見られ放題ね」
「地獄よ」
 ハニーは目を顰めさせて言った。
「女の子にとっては」
「そうよね」
「だからね」
 そうなるからだというのだ。
「今はいいわ」
「半ズボンで」
「ええ、短くてもね」 
「今のあんたが穿いてる様な」
「そうしたのでもね」
「見えないから」
「それにデザインもいやらしくないから」
 だからだというのだ。
「本当にね」
「今はいいわね」
「そして昔はね」
「地獄ね、私もね」
 紹子も言った。
「ブルマはね」
「嫌でしょ」
「体育の時も嫌だけれど」
「あれで運動会に出るのは」
「地獄よ」
「ええ、今の運動会は天国よ」
 ハニーはきっぱりと言った。
「ブルマがないって」
「本当に何であんなのあったか」
「謎よね」
「そうよね」 
 二人でこう話した、そしてだった。 
 今度は紹子が競技に向かった、ハニーはその彼女を笑顔で見送った。そして帰ってからは今度は紹子の競技のことを話したのだった。


運動会は昔地獄だった   完


                   2024・3・21 
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