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ハッピークローバー

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第百二十二話 人間としての差別その三

「この人達はアメリカ人だから」
「アメリカ人ではあるのね」
「アメリカ人って何かっていうと」
 この定義も話すのだった。
「アメリカ以外の国にルーツのあるよ」
「そうした人達ね」
「アフリカ系の人だって」
 アメリカにおける人種差別でよく言われる人達もというのだ。
「何処から来たか」
「文字通りアフリカね」
「アメリカに最初からいないでしょ」
「そのことが大事なのよね」
「そう、差別されていても」
 そうであってもというのだ。
「アメリカ人もっと言えば人間としてよ」
「差別されているのね」
「だからガンマンやカウボーイにもいたし」
 西部劇の主人公達にもというのだ。
「騎兵隊にだってね」
「アフリカ系の人がいて」
「活躍してたのよ」
「それアメリカ人の娘も言ってたわね」
「そうでしょ、中国系の人はチャイナタウンもうけてね」 
 彼等はというのだ。
「そこで暮らせてるしね」
「アメリカ社会の中で」
「やっぱり差別されていてもね」
「アメリカ人、人間ではあるのね」
「ハワイとか日系人の人多くて」
 この州はこのことでも有名である。
「日本語も通じるでしょ」
「かなりね」
 理虹は家族でハワイに行ったことがある、それでこのことを知っているのだ。実に楽しい旅であった。
「あそこはね」
「日系人は強制収容所に入れられたこともあったけれど」
「二次大戦の時ね」
「ハワイはそうならなかったし」 
 ただしかなりの差別は受けた。
「アメリカ人ではね」
「あるのね」
「だからメジャーでもよ」
 こちらでもというのだ。
「日本人が活躍出来るのよ」
「アメリカ社会で認められているから」
「人間としてね、けれどね」
 それでもとだ、さらに言うのだった。
「ネイティブの人達はね」
「違うのね」
「もう土地も何もかも奪われて」
 開拓の時にだ、フロンティアはアメリカの侵略の歴史でもあるのだ。
「居留地に押し込められて」
「そういえばうちの学校でもね」
「アメリカ人多くてもでしょ」
「ナイティブの人ってね」
「少ないでしょ」
「色々なルーツの人がいても」
 アメリカらしくというのだ。
「けれどね」
「そうでしょ、居留地にいてね」
 そうしてというのだ。
「そこで援助受けてよ」
「暮らしてるの」
「ちょっとのね、食べものも支給されてるけれど」
 そうであるがというのだ。
「栄養バランス悪いし失業率もね」
「高いのね」
「九十パーセントの場合もよ」
「もう殆どじゃない」
「そこまでなのよ」
「高いのね」
「アメリカに最初からいても」
 そうであってもというのだ。 
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