八条学園騒動記
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第七百四十二話 童顔だとその十
「かなり小さいって言われてるし」
「小狐って言われる時あるわね」
「よく狐って言われて」
「頭がよくてね」
「それで小柄だから」
「小狐なのよね」
「子狐じゃなくてね」
セドリックはこちらの表現も出した。
「子供じゃなくてね」
「小さいね」
「そうだってね」
「そうなのよね、子供じゃないのよね」
「そう、大人であることはね」
「事実だしね、しかし」
ウェンディはこうも言った。
「その伊東首相より小さいから」
「あの博士は」
「お歳のことはあっても」
人は年齢を重ねると小さくなる、それは誰でもだ。
「かなりね」
「小さいからね」
「それで普通の小ささって」
「昔はっていうけれど」
「何時かしら」
「何か江戸時代から生きてるって噂あるけれど」
「だったら千数百歳?」
ウェンディは首を傾げさせて言った。
「そうなるかしら」
「いや、千歳って」
そこまでいくと、とだ。セドリックは怪訝な顔で言った。
「仙人か錬金術を極めた」
「サン=ジェルマン伯爵ね」
「そんな人だよ」
「そうよね」
ウェンディもそれならと応えた。
「まさに」
「そうなるね」
「まあ噂だしね」
「百歳超えてるのは本当かもね」
「ああ、それはね」
実際にとだ、ウェンディも否定しなかった。
「あるわね」
「そうだよね」
「どう見たってかなりのお歳だから」
「それで卒業世紀の九十の人はその頃からおられたってね」
「証言されてるし」
こうした話も残っているのだ。
「だったらね」
「あの人が百歳超えてるのは」
「間違いないわね」
「その人今九十だから」
それならというのだ。
「七十二年位前になって」
「その頃にはもう八条大学におられたなら」
「もうね」
それならというのだ。
「確実にね」
「百歳超えてるわね」
「百歳超えて働いているって」
この時代の連合でもだ。
「普通に有り得ないよ」
「そのこと自体がね」
「色々な博士号持っていて」
そうしてというのだ。
「あらゆる学問を修めた」
「凄い人らしいわね」
「理系も文系も」
そのどちらもというのだ。
「凄いってね」
「言われてるわね」
「何かもう伝説の」
セドリックはこうも言った。
「学者さんともね」
「言われてるわね」
「だからね」
「悪魔博士ね」
「名前からもじられて」
「悪魔についても詳しくて」
「そして悪魔みたいに何でも知っているから」
それ故にというのだ。
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