金木犀の許嫁
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第八話 同居をはじめてその四
「本当にね」
「餓鬼になったら終わりですね」
「ええ、ただね」
「ただといいますと」
「普通はならないわ」
白華にこうも言った。
「餓鬼にはね」
「人はですか」
「そうはね」
「そこまで堕ちないですか」
「普通はね。人として普通に生きていたら」
そうであるならというのだ。
「流石によ」
「餓鬼にまではならないですか」
「餓鬼になる人は」
真昼はそうした輩の話もした。
「本当に一切人間としていいことをしてこなかった」
「そんな人がなりますか」
「そうだと思うわ」
「じゃあ私達は」
「まずね」
「ならないですか」
「ええ、まあ餓鬼になったら」
それこそという言葉だった。
「皆離れていくわよ」
「そうなりますか」
「だっていことしないから」
だからだというのだ。
「それこそね」
「誰もがですか」
「離れていくわ」
「そうなりますね」
「だって手を差し伸べてもね」
そして助けてもというのだ。
「感謝しないで文句ばかりよ」
「ああ、それならもう」
「誰もでしょ」
「助けたくないですね」
「一度は助けても」
そうしてもというのだ。
「感謝しないでね」
「文句ばかりで」
「そうだとね」
「助けないですね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「もうね」
「誰もが離れていきますね」
「それで一人になるから」
「餓鬼になれば」
「ええ、だから気を付けて」
「そんな人にはですね」
「ならないことよ」
「修行は大事」
佐京も言ってきた。
「人としてのそれも」
「忍術だけではないですね」
「そう、感謝や思いやりを」
そうしたことをというのだ。
「学んで見に着ける」
「それも大事ですね」
「遠慮や助け合いも」
「そうですね」
白華もそれはと応えた。
「言われてみますと」
「そう、大事」
「そうですね」
「そして」
妹にさらに話した。
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