ハッピークローバー
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第百二十話 客家その十
「屑そのもので」
「偏見も強かったりして」
「そうして」
そのうえでというのだ。
「矢鱈と好戦的だから」
「戦争行きたいの?」
「いや、日本が勝ってね」
自分と同一視している祖国がというのだ。
「いい目見たいだけよ」
「それだけなのね」
「選挙で不正があったって主張するでしょ」
そして自分が負けたとだ。
「それを何の検証もせずに鵜呑みにしてね」
「言うのね」
「そんな馬鹿も多いし」
アメリカが有名であるが日本でも存在している、物事を検証するという人にとって必要不可欠な能力の一つが見事に完全に欠落しているのだ。
「それも知識人って言われる人達でもね」
「いるのね」
「結構ね、陰謀論吹聴して」
やはり事実を検証せずにだ。
「おかしな人のおかしな主張をね」
「信じるのね」
「それも何年もね」
「その時だけ騙される訳じゃないのね」
「もう何年もね」
富美子は台湾の娘にそれこそという口調で話した。
「言い続けて台湾についてもね」
「そんな風なのね」
「本当に台湾が好きなら」
そうした人ならというのだ。
「台湾のことを勉強して」
「よく知ってるのね」
「多民族で」
多くの民族が住んでいる島でというのだ。
「亜熱帯でね」
「毒蛇が多いことも知ってるわね」
「そんな連中にヒャッポダとか言っても」
この蛇の名前を出してもというのだ。
「絶対によ」
「知らないのね」
「そうした人ばかりよ」
「ヒャッポダ位知って欲しいわね」
台湾の娘は心から思って述べた。
「有名だから」
「台湾じゃそうよね」
「兎に角毒蛇が多くて」
そうした島でというのだ。
「中でもね」
「ヒャッポダが特に有名なのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「お守りみたいにも扱われてるのよ」
「毒が強いから」
「それで魔除けにね、そういえば」
台湾の娘はこうも言った。
「沖縄のアメリカ軍の基地の前でいつも騒いでる」
「テント張って住み込んでたりするわね」
「あの人達も沖縄のことを言っても」
常に声高にだ。
「そうしてもね」
「沖縄のこと何も知らないわよね」
「知ろうともしれないわね」
「そうした人達も同じなのよ」
富美子はきっぱりと答えた。
「政治的にどうした考えかは違っても」
「それでもなのね」
「根っこはね」
「同じね」
「結局自分だけで」
そうした輩共であってというのだ。
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