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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その四十九

「巨大過ぎる」
「まさにヨルムンガルドかテューポーンです」
「あまりに巨大な敵です」
「巨大過ぎるので」
「そう簡単には倒せないですね」
「そうだ、だから備えを置く」 
 その様にするというのだ。
「国防を整える、そして内憂はな」
「その様にされてですね」
「潰していきますね」
「お金のことから」
「そうしますね」
「怪しい宗教団体はまず必ず裏で何かしている」
 このことは間違いないというのだ。
「清廉潔白の顔をしていてだ」
「その実はですね」
「違っていてですね」
「裏でよからぬことをしている」
「それが常ですね」
「聖者の仮面の裏にはだ」
 何があるかというと。
「醜い素顔が存在している」
「そうしたものですね」
「その実は」
「そうした団体は」
「それが常ですね」
「だからだ」
 そうしたことが常だからだというのだ。
「金、それで大抵掴める」
「その正体が」
「そこから摘発し」
「さらに悪事を暴き」
「潰しますね」
「金から捕まえていくことは楽だ」
 その動きからというのだ。
「アル=カポネもそうだったな」
「はい、アメリカのあのマフィアのドンもです」
「そこから捕まりました」
「それまで多くの悪事を揉み消していましたが」
「それが、でしたね」
「そうだ、その金の動きから脱税を掴まれてだ」
 それでだったのだ、この二十世紀のアメリカにおいて暗黒の帝王とさえ言われた稀代のマフィアのドンも刑務所に送られたのだ。
「終わった、どれだけ悪事を隠してもだ」
「お金の動きですね」
「それをよく調べるとですね」
「尻尾を掴めますね」
「大抵は」
「宗教団体は特にな、浄財ということで誤魔化されやすく」
 そしてというのだ。
「宗教法人で税制も優遇されていてだ」
「マネー=ロンダリングもありますね」
「それをしている可能性もありますね」
「それで誤魔化していますが」
「それでもですね」
「やたらと金を求めるならカルトである可能性も高くだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「さらにですね」
「そこから徹底して洗えば」
「正体がわかる」
「左様ですね」
「そうだ、金で掴めないなら」
 カミュはこの場合についても話した、その他の手段も講じてそのうえで追い詰めて尻尾を掴むというのだ。
「人だ」
「その動きですね」
「裏社会とつながりがあったり」
「行方不明者がいるか、ですね」
「こちらは金よりも楽な場合がある」
 それで尻尾を掴むよりもというのだ。 
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