| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七話 同居のはじまりその十一

「天皇陛下よりも」
「ずっと贅沢してるわよ」
「あそこ最貧国ですよね」
 世界のというのだ。
「それで世界第三位の経済力の国の国家元首の方よりも」
「ちなみにあそこ人件費ほぼかからないわよ」
 真昼はこのことも話した。
「ほぼ強制労働だしね」
「宮内庁も人件費かなりですよね」
「働いている人達のお給料がね」
「そうですよね」
「その宮内庁の予算よりもね」
「将軍様の贅沢費が上ですか」
「そうなのよ」
 これがとだ、海胆を食べつつ話した。
「無茶苦茶でしょ」
「いや、あの国に生まれなくてよかったです」
「忍術なんてやってると確実に軍隊ね」
「あんな軍服着ることになりますか」
「白華ちゃんの大嫌いなね」
「本当に生まれなくてよかったです」
「ケーキも食べられない」
 佐京は白ワインを飲みながら言った。
「当然ながら」
「甘いものどころか食べものすらないですから」
「雑草を食べて生きているそうだし」
 北朝鮮の多くの人達はだ。
「食べられるのは将軍様だけ」
「有り得ないですね」
「プリンもアイスクリームもゼリーもない」
「シュークリームもですね」
「善哉も羊羹も三色団子も杏仁豆腐も」
「桃饅頭もないですね」
「ドーナツもクッキーも」
 佐京はこうしたものも挙げていった。
「絶対にないから」
「そうですね」
「それだと」
「私もですね」
「生きていられないよ」
 そうだというのだ。
「そもそも食べもの自体がないし」
「甘いものどころか」
「今話している通りにね」 
 まさにというのだ。
「そうだから」
「地獄ですね」
「そう、あそこは地獄」
 佐京はその通りだと答えた。
「何もなくて将軍様だけ安泰ならいい」
「国民の人達はどうでもいいですね」
「そんな国だから」
「地獄ですね」
「あの国よりも日本の方がいい」
「絶対にそうですね」
「後でケーキも食べるけれど」
 それでもというのだ。
「そのケーキも食べられない」
「存在すら知られていないかも知れないですね」
「そう、日本がいい」
「絶対に」
「そして」
 それにというのだった。
「未確認動物の話もそうは出来ない」
「未確認動物はいますよ」
 白華はすぐに答えた。
「あの国は」
「白頭山か何処かに」
「中国との国境の湖にです」
 そちらにというのだ。
「います」
「確かそうだった」
「そうですが」
「それでもそんなことを話すよりも」
 未確認動物の話題をというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧