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オズのヘンリーおじさん

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第五幕その七

「凄くね」
「そうなのね」
「僕達がそう思うことって」
「凄くいいことなんだ」
「自分達は偉くない」
「そう思うことは」
「偉くないと思うから努力するね」
 そうするというのです。
「だからね」
「いいことなのね」
「自分達は偉くない」
「そう思うからこそ努力する」
「それでなのね」
「いいことなんだね」
「その通りよ」
 オズマも言ってきました。
「そう思うこと自体がね」
「いいことなんですね」
「努力するから」
「そこからさらによくなるから」
「だからいいんですね」
「自分は偉くないって思うことは」
「自分自身を知れば」
 そうすればというのです。
「すぐにわかるわ」
「自分は偉くない」
「誰でもですか」
「そう思いますか」
「自分自身を知ると」
「そうなるんですね」
「そうよ、人間は神様じゃないのよ」
 決してというのです。
「だったら何を出来ても」
「神様と比べるとですね」
「全く何も出来ない」
「そうした存在ですね」
「人間は」
「だから偉くないんですね」
「私なんて一人じゃ何も出来ないわ」
 オズマは自分のことを言いました。
「ドロシーや皆がいてね」
「そうしてこそですか」
「何でも出来るんですか」
「逆に言えばオズマ姫だけだとですか」
「何も出来ないんですね」
「そうなんですね」
「そうよ、何度かピンチになってるでしょ」
 五人にこうも言いました。
「桃になったりして」
「あっ、ノーム王の宮殿でも」
「緑のバッタのおもちゃになったり」
「あとノーム王が攻めて来たり」
「色々ありましたね」
「オズマ姫も」
「そうよ、若し私が偉いなら」
 それならというのです。
「本当によ」
「ピンチもなかったですね」
「それこそ一度も」
「ピンチもなく乗り越えられた」
「そうですね」
「そうなっていたから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「偉くないですか」
「オズマ姫も」
「オズの国の国家元首であられても」
「そして魔法が使えても」
「凄い知識や知恵を備えておられても」
「全くよ」
 それこそというのです。
「偉い筈がないわ、だからね」
「努力されていますか」
「もっとよくなろうと」
「偉くないから」
「もっと出来る様になりたいから」
「努力されていますか」
「そうしているわ、スポーツ選手なんかね」
 オズの国のというのです。 
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