神々の塔
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第五十九話 荒野の宗教その十二
中里は彼から離れ空を舞いつつ単独で動いて空を飛ぶ天使との戦に入った、彼に接近し両手に一本ずつ持つ刀の神器に加えて。
足も使う、これにはウリエルも困惑した。
「くっ、挌闘戦か」
「こっちは苦手みたいですね」
「天使はそうした戦い方はしない」
中里に苦い顔で答えた。
「スポーツとしてボクシングやレスリングも行うが」
「そやけどですね」
「実は剣術等よりはだ」
「落ちますね」
「基本接近戦は武器で戦う」
それを用いてというのだ。
「術にそれぞれの力でな」
「そやからですね」
「格闘戦は落ちる、ましてや」
中里の攻撃を必死にかわし防ぎつつ話した。
「実戦を念頭に置いた足技なぞ」
「その格闘戦の中でもですか」
「特にだ」
「不得意ですか」
「天使は嘘は言わない」
決してというのだ。
「だから言う」
「不得意やとですね」
「そうだ」
その通りというのだ。
「そう来るとはな」
「天使さんにも得手不得手がありますか」
「完全であられるのは神のみだ」
ウリエルはまた正直に答えた。
「それ故にだ」
「そやからですね」
「我等にも不得手はある」
「そうですね」
「よくそうしてくれた」
この様な戦い方をというのだ。
「実にな、しかし」
「それでもやな」
「私も意地がある、簡単には負けぬ」
「ほなですね」
「最後まで戦おう」
こう話してそしてだった。
実際に戦った、だが的が増えしかも苦手な格闘戦で挑んでくる相手がいては彼も劣勢にならざるを得ず。
遂に敗れた、彼が最後だったので一行に告げた。
「よくぞ我々を倒した」
「そやからですね」
「先に行くのだ、我等の神もだ」
神霊は綾乃に話した。
「期待しておられる」
「うち等のことをですか」
「そうだ、ではまずはな」
「休んでですね」
「休息も必要だ」
それ故にというのだ。
「そうすることだ、だからな」
「まずはですね」
「下の階の宿屋に入り」
そうしてというのだ。
「ゆっくりと休んでだ」
「そのうえで、ですね」
「行くのだ」
「上の階に」
「そうするのだ、休みもしつつだ」
「戦うことですね」
「むしろ休むべき時は絶対にだ」
それこそというのだ。
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