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神々の塔

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第五十九話 荒野の宗教その八

「対しているけれど」
「それでもやな」
「相手の全貌もわかってへんから」
 それが為にというのだ。
「対することにしてるわ」
「そうなってるな」
「悪には悪で」
「それぞれ前科がめっちゃある奴をやな」
「警官にしてね」
「あたらせてるな」
「そうしていってるわ」
 こうトウェインに話した。
「喜久子ちゃんらしくない考えだけれど」
「喜久子ちゃんは真面目やからな」
「秩序を重んじるから」
 だからだというのだ。
「それでね」
「そうしたことはな」
「普通は考えないけれど」
「そうしてるな、今回は」
「どうもね」
 アレンカールは考える顔になって話した。
「玲子ちゃんがね」
「考えたか」
「あの娘も警察のトップだからね」
 十星連合の警察だ、この場合の警察は中央警察であり十星連合全土がその管轄になっているFBIの様な組織であるのだ。
「そやからね」
「喜久子ちゃんと話スことも多いしな」
「あの娘は清濁でしょ」
「併せ吞んでるな」
 メルヴィルもそれはと答えた。
「あの娘は」
「そやな」 
 トウェインは羅のその言葉に頷いた。
「真面目一辺倒やなくてな」
「それでや」
「喜久子ちゃんと話してか」
「言うたんかも知れんな」
「犯罪者を警官に仕立てるか」
「犯罪者いうても筋の通った」
「そうした奴やな、確かにな」
 トウェインは強い声で応えた。
「犯罪者というても色々で」
「中には仕方なくな」
「犯罪を犯したモンもおるな」
「それでその中からな」
「選んでか」
「警官に仕立ててな」
「巨人軍にあたらせてるんやな」
 こう羅に応えた。
「そういうことか」
「目には目をで」
 羅はさらに言った。
「悪には悪や」
「犯罪者には犯罪者やな」
「そや」
 まさにというのだ。
「その論理でな」
「そうした警察の部隊編成してか」
「あたってる、その部隊のトップは」
 その人物はというと。
「犯罪者やないがかなり出来るモンでな」
「あれやろ、エウロパの侯爵家の次男さんの」 
 芥川がその者の話をした。
「士官学校出の」
「その兄ちゃんがやな」
「連合に来てな」
「喜久子ちゃんがスカウトしたか」
「これはええ人材やと見て」
 芥川はトウェインに話した。
「それでな」
「警察に入れてか」
「その部隊に入れて」
 そうしてというのだ。 
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