ハッピークローバー
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第百十九話 他の国から見ればその十四
「フランスでもだしね」
「どうとでもなるのね」
「ええ、ただこれって」
考える顔になってだ、スペインの娘は一華に言った。
「スペイン語の強みから言ってるわね」
「伊達に世界言語じゃないからね」
「そうよね」
「それで差別されないで」
言語でというのだ。
「行ける国にも就職口にも困らないのは」
「いいことね」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「やっぱりね」
「そうなるのね」
「日本は差別があっても穏やかな国なのはわかったけれど」
他ならぬ彼女の話でだ。
「言葉のことはね」
「羨ましいのね」
「日本語って世界から見ると喋られる人少ないから」
「日本位よね」
「それであれこれとね」
それこそというのだ。
「難しいって言われて」
「学ぶ人も少ないのね」
「そうだしね」
「そのことは羨ましいのね」
「ええ、それぞれ違うわね」
「いいところが」
「そう思ったわ」
スペインの娘に真顔で話した。
「今日ここであんたとお話してね」
「そうなのね」
「運がいいと言えばね」
「いいのね」
「そういえばプロ野球での」
日本のそれの話もした、ただ一華はここではセリーグヤパリーグの日本プロ野球機構の野球だけでなく八条リーグのことも考えていた。
「助っ人の人も中南米の人多いわね」
「メキシコとかキューバとか」
「ベネズエラとかドミニカとかね」
「そうした国も大抵ね」
「スペイン語よね」
「そうよ」
「そうよね、だから」
公用語がこの言語だからだというのだ。
「スペイン語でお話する人もね」
「増えてるわね」
「助っ人の人達の間でね」
「日本の野球でもそうなのね」
「プライベートだと」
そうした時はというのだ。
「もう完全にね」
「中南米の人同士だとね」
「スペイン語で喋ってるしね」
ヤクルトの助っ人ペタジーニが乱闘で暴れた時に中日の助っ人がスペイン語で必死に宥めたことがある、これはペタジーニはベネズエラ出身だからだ。
「英語だけかっていうと」
「違うわね」
「ええ、というかメジャーでもね」
「そうした国から来てる人多いわよ」
「そうよね」
「プエルトリコもあるしね」
アメリカの準州のこの地域もというのだ。
「あそこも野球盛んだし」
「それで有名よね、うちの学園プエルトリコからの子もいるし」
「そうよね」
「アメリカだけれど」
公用語が英語のこの国の領土だがというのだ。
「元はスペイン領だったし」
「スペイン語なのよね」
「中々ね」
一華にこう前置きして話した。
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