| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第130話 アーシアにプロポーズ!?ディオドラ・アスタロト登場!!

side:イッセー


「はぁぁぁっ!」
「ふっ!」


 リアスさんの放つ激しいラッシュをさばきながら彼女に蹴りを入れる。だがリアスさんはそれをジャンプして回避すると魔力弾を放ってきた。


「せやぁっ!」


 魔力弾をナイフで真っ二つにするとお返しにフライングフォークを放った。だがリアスさんはそれをオーラを纏った片手で受け止めると弾いてしまう。


 勿論殺さないように多少の加減はしたがせいぜいかわすくらいしか対処できないと思ったので流石に驚く俺。


 そんな俺に対してリアスさんは得意げな笑みを浮かべるとハイキックを放ってきたのでこちらもキックで反撃した。


 ガキンと肉体がぶつかって出るようなはずのない音と共にお互いに後ずさった。


「それがスーパーサイヤ人、いやSDモードですか。こうして実際にその姿になったリアスさんと手合わせをしたのは初めてですが瞬間的な攻撃力なら俺に追いついていますね」
「ふふっ、それでも普通に対処してくる貴方は流石ね」
「まあこれでもG×Gで長く生きてきた先輩ですからそう簡単には抜かれませんよ」


 俺はリアスさんと組み手をしているがSDモードは強いな、身体能力も大きく上がり短期間なら本気の俺と落ち合えるほどに強化されている。


「さあ、続きを開始しましょう!私、今たぎって仕方ないの!」
「ええ、やりましょうか!」


 俺とリアスさんはそう言うと互いに走り拳をぶつけたのだった。


 それから組み手を続けたが最後は俺が彼女の首にナイフを突きつけて勝利を得た。


「イッセー先輩、お疲れ様です」
「ありがとう、小猫ちゃん」


 小猫ちゃんが来てタオルをくれたので顔についた汗を拭きとった。


「特性ドリンクもどうぞ」
「サンキュー……ぷはぁっ!美味い!」


 小猫ちゃんが作ってくれた特性のドリンクを喉に流し込んでいく。レモモンやソルトバナナなどを入れたドリンクは疲れた肉体に染み込んで力が出てくる。


「リアス部長すごく張り切ってますね」
「ああ、よほど強くなりたいんだろうな」


 休む間もなく朱乃と組み手を始めたリアスさんに俺と小猫ちゃんはそう感想を言った。


 前に宿敵であるヴァーリと生身で出会った俺達だったが、なんとリアスさんの探していた男がよりにもよってヴァーリだったんだ。


 リアスさんはヴァーリを手に入れる為に強くなることを決意、そして今のやる気に繋がってるわけだ。


「でも先輩的には良いんですか?」
「人の恋をどうこう言う気はないからな」


 俺も正直複雑だが誰が誰を好きになるのは自由だからな、彼女もヴァーリと戦う時は本気でやってほしいといっていたし俺も奴と戦う時はマジでいかせてもらうつもりだ。


「私も部長の恋は叶ってほしいと思ってますから是非とも頑張ってほしいですね」
「まああの様子だとヴァーリをその気にさせるのは相当苦労しそうだけど」
「イッセー先輩もあんな感じでしたよ?」
「えっマジで?」


 俺は小猫ちゃんにそう言われて目を丸くするが、云われてみれば告白は小猫ちゃんからしてもらったし基本的に後攻になってるなと思った。


「……もう少しちゃんと俺から攻めていくよ。愛してる、小猫」
「はい、私も愛しています。先輩♡」


 俺はもうちょっと恋人たちに自分から攻めていこうと思い小猫ちゃんを抱き寄せてキスをするのだった。


―――――――――

――――――

―――


 そんな事もあってまた数日が過ぎた。アーシアと共に体育祭の練習をしながら日常を過ごしていたがある日の夜、夕食を終えて皆とリビングルームで談笑をしていた時玄関のチャイムが鳴ったんだ。


「あら、こんな時間に誰かしら?」
「出てきますね」


 リアスさんはもう19時になるのに来客が着た事に首を傾げた。この家は基本的に配達とか以外で人が訪ねてくることが無いからな。


 俺は立ちあがって玄関に向かう、そしてドアを開けるとそこにいたのは会ったこともない青年だった。


「貴方は……いやこの感じは悪魔か?」
「初めまして、兵藤一誠さん。僕はディオドラ・アスタロトといいます」


 青年は自身をディオドラと名乗った。


「悪魔ということはリアスさんに用があるのか?」
「いえ、僕が今日訪ねたのは……」
「イッセーさん、どうしましたか?」


 俺は悪魔繋がりでリアスさんに用があってきたのかと聞いたが彼は首を横に振った。すると気になったからかアーシアや他のメンバーが様子を見に来たようで声をかけてきた。


「アーシア!アーシアじゃないか!久しぶりだね、会えて嬉しいよ!」
「ふえっ?」


 するとディオドラという青年はアーシアを見て嬉しそうに声を荒げた。


「失礼ですが貴方はアーシアとどういう関係で?」
「僕はアーシアに命を救われたものです。この傷に見覚えは無いかい?」
「あっ、その傷はあの時の……」


 警戒する俺の質問にディオドラはアーシアに命を救われたといって服を少し開き胸を見せてきた。


 そこには斬られた傷の痕がくっきりと刻まれていてそれを見たアーシアは何かを思い出したかのように驚きの表情を見せる。


「そう、僕はあの時君に命を救われた悪魔だよ」


 ディオドラはそう言って笑み浮かべた。


 とりあえず長い話になりそうなので彼に上がってもらった。席に着いてもらい朱乃に紅茶を入れてもらった。


「お茶です」
「ありがとうございます……これは美味しいですね。こんな美味しい紅茶は初めて飲みました」
「口に合ったなら良かったよ」


 朱乃のいれた紅茶を飲んだディオドラは美味いと口にする。まあグルメ界の紅茶だからな。


「それで貴方がアーシアに命を救われたというのはどういうことですか?もしかするとアーシアが教会を追放される原因になった件に出てきた悪魔というのは……」
「はい、それが僕です」


 俺は以前アーシアから聞いた彼女が追放される原因となった悪魔を思い出した。


 アーシアは傷ついた悪魔を癒した事が発覚して追放されたんだ、その際に出てきた悪魔がもしかしてディオドラなのかと思ったがどうやら当たっているみたいだ。


「僕はあの時天使の領域……教会の敷地内に迷い込んでしまい危うく殺されかけたんです」
「えっおかしいわ。だって当時の三大勢力は休戦してたけど互いに許可なく縄張りに入るのは禁じられていたのよ」
「その通りだ。ディオドラといったな……なぜお前は教会の敷地内にいたんだ?」


 ディオドラの話をさえぎってイリナがおかしいと言いゼノヴィアは何故て期待してる悪魔が教会の敷地にいたと鋭い視線を向ける。


 それは俺も思ったな、何故そんなところにいるんだと。


「……信じてもらえるとは思いませんが僕はあの日冥界の首都に向かおうと自身の領地から魔法陣で飛ぼうとしたんです。しかし魔法陣が誤作動を起こしてしまい気が付けば教会の敷地内にいたんです」
「そんなことあるんですか?」
「稀にあるわね。魔力の流れが不安定だったり魔法陣の術式の一部が劣化などで欠けたりしてると起こることがあるわ。まあ大抵はちゃんとメンテナンスをしてたら起こったりしないんだけど」
「僕はメンテナンスを忘れてしまっていて……恥ずかしい話です」


 ディオドラは魔法陣の暴発でそうなってしまったと答えた。俺はリアスさんに確認を取ってみたが稀に起こるらしい、ディオドラは恥ずかしそうに頬を搔いていた。


「それが本当ならよっぽど運が無かったんだな」
「そうですね、僕はあの時自身の迂闊さと運の無さを呪いました。実際に見つかってしまい胸に攻撃を受けてしまったんですから……」


 俺の運が無かったという言葉にディオドラは苦笑して傷の痕がある自身の胸を触った。


「命からがら逃げた僕はある建物に隠れました。でもそこには偶然アーシアがいて僕を治療してくれたんです」
「あの時は驚きました、まさか悪魔の方がいるなんて思いもしませんでしたから」
「そうだね。でも君に会えたお蔭で僕は命を救われた。そういう意味では僕は運が良かったんだ」


 ディオドラの話にアーシアも当時の事を思い出したのか懐かしそうに話した。


「そして僕は彼女に匿ってもらいなんとか逃げだすことが出来たんです。でもその件が明らかになって彼女は追放されてしまった、そのことを僕は凄く申し訳なく思っていたんだ」


 ディオドラはそう言って立ち上がり地面に頭を付けて土下座をした。


「アーシア、本当に済まない!僕のせいで君を苦しめてしまった!本当に申し訳なかった!」
「ディオドラさん……」


 ディオドラの謝罪にアーシアは複雑そうな表情を見せた。だがそれは直に優しい微笑に変わった。


「ディオドラさん、どうか頭を上げてください。私はあの時自分が取った行動を後悔していません、貴方の命を救えたのなら良かったと思っています。それにあの時追放されたから私はイッセーさんや小猫ちゃん、オカルト研究部の皆さんと出会えたんです。寧ろ私が貴方に感謝したいくらいです」
「アーシア……ありがとう」


 アーシアの言葉にディオドラだけでなく俺達も感激してしまった。アーシアはそんな風に思っていてくれたんだな、小猫ちゃんも嬉しそうに涙を流している。


「アーシア、僕はもう一つ君に伝えたいことがあってここに来たんだ。僕は君を愛してる、どうか僕と結婚してほしい」
「ふえっ!?」


 するとなんとディオドラがいきなりアーシアにプロポーズをしたんだ。これには驚いて誰も何も言えなかった。


「僕はあの時から君の事が好きだったんだ、償いとかじゃなく純粋に君を愛している。だから僕と結婚してほしい」
「ごめんなさい、貴方の気持ちには答えられません」


 ディオドラは真剣な顔でそう伝えた。俺は何か言わないと……と頭の中で考えていたが先にアーシアの方が答えた。


「貴方の告白はとても嬉しいです、私なんかをそんなにも想ってもらえて嬉しく思います。でも私はイッセーさんと婚約しました。だからごめんなさい……」


 アーシアはキッパリとディオドラの告白を断った。


「……そうですか、やはりそうなんですね。薄々そうじゃないのかと思っていたんです。赤龍帝の周りには女性が多くいて君もその一人なんじゃないかと思っていたけど……そうか」


 ディオドラはそう言って俺に視線を向けてきた。


「兵藤一誠さん、貴方がアーシアを助けてくださったんですよね?」
「あ、ああ。そうだけど……」
「ありがとうございます、アーシアの命を救ってくださって……僕も感謝しています」


 てっきり恨み言でも言われるかと思ったがディオドラは俺に感謝の言葉を言ってきた。


「僕は何もできなかった、アーシアが自分を救ってくれた貴方を選ぶのも当然でしょう。それは分かっているんです。でも……」


 ディオドラは俺に真剣な眼差しで声を荒げた。


「それでも!僕は心が納得できない!情けないと言われても僕は本気でアーシアを愛していた!」
「……」
「だからお願いです、アーシアを救った貴方の力を僕に見せてほしい!僕と決闘してください!」


 ディオドラは俺に決闘してほしいと言ってきた。


「おい待て、まさかとは思うが万が一お前がイッセーに勝ったらアーシアをよこせなどと言う気じゃないだろうな?」
「そんなつもりはありません、仮に僕が勝っても何かを要求する気は無いです」


 ゼノヴィアがそう言うとディオドラは首を横に振った。


「イッセーさん、お願いします!僕の恋心を終わらせてほしいんです!、未練たらしい情けない男の最後のお願いだと思ってどうか……!」


 ディオドラはそう言って俺に頭を下げてきた。俺はアーシアの方に視線を向けると彼女はコクリと首を縦に振る。


「分かった、その決闘受けよう。貴方に俺がアーシアを守れる事を証明して見せる」
「ありがとうございます……!」


 ディオドラはそう言って俺に握手を求めてきたので俺はそれに応えた。



「今日はいきなり押しかけてしまい申し訳ありませんでした。決闘についてはまた連絡させていただきます。アーシア、どうか幸せになってほしい。それが僕の願いだから」
「ディオドラさん……」


 ディオドラはそう言って帰っていった。


「私ディオドラとはそう関わったことがなかったんだけどあんなに熱い人だったなんて思わなかったわ」
「そうですわね、わたくし彼の視線に嫌なモノを感じていましたが見直しましたわ」


 リアスさんと朱乃はそれぞれディオドラへの印象を話していた。


「こうしちゃいられねえな。最高の状態でディオドラとの決闘に臨まねえと……」


 俺はそう思いある男に連絡を入れるのだった。


―――――――――

――――――

―――


side:アーシア


 イッセーさんとディオドラさんが決闘をするようになってから数日が過ぎました。


 イッセーさんは放課後に私との二人三脚の練習を終えると小猫ちゃんと一緒にG×Gに行き夜遅くにボロボロになって帰ってくることを繰り返していました。


「イッセー、貴方がそんな修行しなくてもディオドラには勝てるじゃない」
「それでも俺は最高の状態でディオドラにぶつかりたいんです」


 リアスさんがイッセーさんにそう言うと彼は最高の状態でディオドラさんとの決闘に挑みたいと話しました。


 強敵と戦って精神を研ぎ済ませておきたいとのことらしいです。イッセーさんはディオドラさんに本気でぶつかるつもりなんですね。


「アーシアは愛されてるわね、あそこまでイッセーに想って貰えるなんて……」
「イッセー君の隣は小猫ちゃんで固定されていますけどその反対はアーシアちゃんの居場所なんでしょうね。羨ましいですわ」
「そ、そんなことは……えへへ」


 リアスさんと朱乃さんにそう言われてつい笑みを浮かべてしまいます。


「よいしょっと……これでいいかな?」


 私は今も特訓に向かってるイッセーさんの為に夜食を作っています。そしてイッセーさんと小猫ちゃんが帰ってきました。


「ふう、今日も疲れたな」
「お疲れ様です、イッセーさん、小猫ちゃん。夜食を作っておきました」
「わあ、ありがとうございます」


 私はおにぎりを二人に渡すと美味しそうに食べてくれました。


「美味しかったぞ、アーシア」
「小猫ちゃんに比べたらお粗末なものだと思いますが……」
「そんなことは無いですよ、料理に大切なのは相手の事を思いやる気持ちですから。アーシアさんんの料理にはその想いをいっぱい感じました」
「小猫ちゃん……ありがとうございます」


 イッセーさんと小猫ちゃんの優しい言葉に私は涙を流してしまいました。


「……イッセーさん、小猫ちゃん。今更ですが本当にありがとうございます」
「急にどうしたんだ?」
「私は今凄く幸せなんです、イッセーさんと出会って色んなことを一杯教えてもらって小猫ちゃんのお蔭でイッセーさんと想いを通じ合わせることが出来ました。全部お二人のお蔭なんです」


 私はそういって二人に感謝の言葉を言いました。


「出会ってくれて……愛してくれてありがとうございます」


 私がそう言うと二人は何故か泣き出してしまいました。


「ど、どうしたんですか!?」
「いや俺嬉しくて……アーシアがそんなにも俺達の事を想ってくれていたなんて……」
「私もすっごく嬉しいです!アーシアさんにそう言って貰えて……」


 二人は泣きながらそう言うとイッセーさんが急に私をお姫様抱っこしました。


「有言実行だ!小猫ちゃん、俺は攻めていくぜ!まずはアーシアからだ!」
「私もお供します!」
「え、えっと……」
「行くぞアーシア!今日は気が高ぶってるからあまり優しくできんかもしれん!」
「私もアーシアさんをいっぱいイジメちゃいますよ!」
「ふえ~~~っ!?」


 私はそのまま二人に寝室に連れ込まれてしまい……いっぱい愛されちゃいました♡


 二人に抱き枕にされて私は幸せの中眠りにつきました。


 どうかこの日常がこれからも続きますように……


  
 

 
後書き
 イッセーだ。アーシアは可愛すぎるよな、本当に……これからも一緒に歩んでいこうと改めて誓ったぜ。


 さて次回はディオドラとの決闘の日も決まり俺は願掛けもかけてグルメ神社に向かうことにしたんだ。ヴァーリとも出会ったし食運を高めておいて損は無いと思ったからな。


 次回第131話『行こうぜグルメ神社!食運アップを目指して!』で会おうな。


 次回も美味しくいただきます! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧