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金木犀の許嫁

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第六話 同居のはじまりその十一

「子供出来るでしょ」
「それは私もわかってるけれど」
「それで知ってるわよね」
「ええ、けれど尚更ね」
「ないっていうのね」
「そうよ、高校生でもないのに」
 今でもというのだ。
「中学生でもね」
「ないのね」
「そうよ」
 本当にというのだ。
「私達は真面目にね」
「お付き合いしていくのね」
「一緒に暮らしても」
 同じ屋根の下でというのだ。
「真面目によ」
「いや、真面目にってこうしたことしないと」
 真昼はそれはという顔で答えた。
「子孫残らなくて人間もね」
「いなくなるっていうのね」
「そうでしょ」
 現実としてというのだ。
「だから真面目なお話なのよ」
「そうなの」
「そうしたことをしても問題は」
「何時赤ちゃん出来るかなのね」
「そうよ。それは大人になってからでいいことね」
 真昼はこう言った、話している口調は明るくそして真面目なものであり夜空にいしても聞きやすいものだった。
「お互い就職するか最低でも大学に入ってからよ」
「学生結婚?」
「そうしてからね」
「そうなの」
「あくまでね」
「そうしたことね」
「そうよ、本当にね」
 妹にさらに言った。
「真面目なことで」
「要は時期ね」
「そのことよ。逆に言えば赤ちゃん出来なかったら」
 それならというのだ。
「いいのよ」
「それでなの」
「何をしてもね」
「何もって」
 夜空はまた赤い顔になって応えた。
「それって」
「言った通りよ」
「そういうことね」
「だからね、いいわね」
「そういうことをしても」
「あんたと佐京君のことでね」
「赤ちゃん出来なかったらいいのね」
 姉に対して問うた。
「そうなのね」
「そうよ」
「ううん、お姉ちゃんがそう言うなんて」
「意外?」
「意外よ」
 まさにというのだった。
「そう言うなんて」
「そうなのね、けれどね」
「こうしたことはなのね」
「私は別にいいと思うから」
 だからだというのだ。 
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