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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その三十二

「彼等に屯田させる」
「屯田制ですか」
「それも行いますか」
「そうされますか」
「そうした政策をだ」
 書類にサインしつつ話した。
「総統にもな」
「お話されますね」
「あの方にも」
「そうされますね」
「屯田はいいものだ」
 この制度はというのだ。
「普段は農地を耕せてだ」
「有事になれば」
「敵が来ればですね」
「その時はですね」
「戦うことが出来る、前線を守る戦力がいてだ」
 そしてというのだ。
「農地も持てる」
「いい制度ですね」
「こうした場合は導入すべきですね」
「発展させたい時は」
「前に敵がいる場合に」
「だから今はな」
 エウロパの状況を考えると、というのだ。
「それを導入すべきだ」
「それが正式の軍隊でなくとも」
「武装している警察でもですね」
「万が一連合軍が来ても戦える」
「それが出来る様に」
「宇宙戦が出来るまでのな」 
 そのレベルのというのだ。
「戦力を置く」
「軍隊は絶対に置けないですね」
 このことは茶色の髪の中年女性の官僚が言ってきた。
「やはり」
「連合との条約がある」
「だからこそですね」
「条約を破ることも出来るというが」
「それは、ですね」
「信頼を失う、信頼を失ってはだ」
 それこそとだ、カミュはその女性官僚に話した。
「まさにだ」
「国家として外交は出来ないですね」
「出来ることは出来るがな」
「非常に難しくなりますね」
「だからだ」 
 それ故にというのだ。
「私もそれは絶対にしないし総統もだ」
「同じですね」
「それ以上に我々は何だ」
 条約を破るという行為についてだ、カミュはこうも問うた。
「一体」
「我々ですか」
「そうだ、エウロパの者はな」 
 このことを問うのだった。
「何だ」
「はい、誇りある者達です」
 女性官僚はすぐに答えた。
「まさに」
「そうだな」
「その誇り故にですね」
「真に誇りある者は倫理観がある」
 これが備わっているというのだ。
「高貴さもな」
「それ故にですね」
「絶対にだ」 
 それこそというのだ。 
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