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犬も脳梗塞になる

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第二章

「夕方遅くだ」
「そうしないと駄目だな」
「さもないと熱中症になるしだ」  
 暑い時に散歩をさせると、というのだ。
「それに脳梗塞にもな」
「なるんだな」
「脳梗塞は怖いだろ」
「下手したら死ぬよな」
「それで助かってもな」 
 そうなってもというのだ。
「障害残るんだ」
「身体がまともに動かなくなるよな」
「そいうなるからな」
 だからだというのだ。
「本当にな」
「夏はな」
 即ち暑い時はというのだ。
「涼しい時に名」
「散歩しないとな」
 そうしなければというのだ。
「本当にな」
「駄目だよな」
「そうだ」
 絶対にとだ、文太は息子に言った。
「ふわりの為にもな」
「ふわり只でさえ体温高いしな」
 犬の中でもだ。
「いつもあったかいな」
「しかもよく動くな」
「ああ」
 息子はその通りだと答えた。
「いつもな」
「だからな」 
 そうした犬だからだというのだ。
「本当にな」
「気を付けないと駄目だな」
「脳梗塞になって欲しいか」 
 ふわりにというのだ。
「そんな筈ないだろ」
「当たり前だよ」
 洋介は父にそれこそと答えた。
「そんなのな」
「だったらな」
「夏はか」
「涼しい時にな」
 その時間帯にというのだ。
「散歩に行くんだ、いいな」
「それは絶対だな」
「ふわりのことを考えてな」 
 そうしてというのだ。
「夏はそうするぞ」
「その季節になったら」
「それでいいな」
「ああ、今は冬でもな」
 それでもとだ、洋介は父の言葉に頷いて言った。
「夏になるのは絶対だしな」
「だったらだ」
「今からその季節のことを考えることだな」
「そうだ、じゃあご飯やろうな」
 父は息子に散歩を終えたふわりを見つつこうも言った。
「今から」
「ああ、運動の後はな」
「飯だ、ふわりたっぷり食えよ」
「ワンッ」
 ふわりは父の言葉に嬉しそうに鳴いて応えてだった。
 ケージの中に置かれたドッグフードがたっぷり入った皿に向かった、そして皿の中にあるそれをとても美味しそうに食べた、親子はそんな彼女を見て笑顔になった。


犬も脳梗塞になる   完


                     2024・2・24 
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