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神々の塔

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第五十八話 見えてきたものその四

「実感出来んけどな」
「それでもやな」
「何万階ってうとやな」
「ほんまな、流石に億とかやないが」
 それでもというのだ。
「途方もないな」
「それでその途方もなさにな」
 まさにそれにというのだ。
「殆どのモンがな」
「怖気付くな」
「こんなん無理やと思って」
 その踏破はだ。
「諦めるわ」
「そうなるな」
「しかしな」 
 それでもとだ、芥川は言うのだった。
「それを敢えて挑んでな」
「我等はやな」
「この世界を救う為にや」
「力を得んとしてるな」
「エカテリーナちゃん達に勝つ為でもあるが」
 今の敵である枢軸の星の者達にというのだ。
「何と言ってもな」
「この世界を救う為やな」
「そや」
 芥川は言い切った。
「力が必要や」
「そやから挑んでるな」
「そうしてる、その何万階にな」
「誰もが怖気付くそれに」
「事実ここまで登ってな」
 そうしてというのだ。
「相当長くなってるな」
「塔の外の世界でどれだけや」 
 そこで過ごした時間で考えればというのだ。
「一体な」
「もう年単位やろな」
「そやな、我等もそれだけおるな」
「幸いこの塔の中では歳を取らへんしな」
「外の世界に出ても踏破しても一月位留守にしただけやな」
「何でもないわ」 
 それならというのだ。
「世界にとってはな」
「そやな」
「それに留守の間はちゃんと政をしてくれてる」
 リーは自分達の勢力の話をした。
「太宰達がおるからな」
「そや、太宰や」
 まさにとだ、羅も応えた。
「あいつがおるわ」
「そやな、私達には」
「あいつがおったらな」
「政はかなり助かるな」
「内政はあいつがおったら」
 それならというのだ。
「大丈夫やな」
「まずは」
「他のモンもおるし」
「私達が一ヶ月位留守にしていてもや」
「動いてるな」
「ちゃんとな、決戦の時もな」
 枢軸のというのだ。
「留守を任せてたやろ」
「もうあいつがおらんとな」
 羅は真剣な顔で答えた。
「それで主な大臣の面々もな」
「そうやないとやな」
「勢力が動かんかったからな」
「それで残ってもらったな」
「そやったな」
「ああ、特に太宰がな」
 今話している彼がというのだ。
「おらんとな」
「ほんま動かんからな」
「特に内政はな、ほな今は」
「太宰に任せてな」
 勢力のことはというのだ。
「私等はな」
「この塔を踏破することやな」
「そうすることや」
 こう羅に話した。 
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