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神々の塔

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第五十八話 見えてきたものその二

「その途方のなさにめげてな」
「諦めるよりもやな」
「ずっとええわ、諦めたらな」
「それで終わりやな」
「そや、その時点でな」
「バスケの太った先生が言う様にやな」
 メルヴィルはとある漫画のキャラクターの話もした、寡黙で無表情だが部員をよく見ている出来た人である。
「そやな」
「そやろ、ほんま諦めたらな」
「終わりやから」
「それでや」
 その為にというのだ。
「まずはな」
「諦めんことやな」
「その為にはな」
「途方もないことやと」
「最初は考えん」
「長い道のりを」
「それでただひたすら歩いて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「先に進んで」
「そしてや」
「程よいところでやな」
「あとどれだけってな」
 その様にというのだ。
「考えたらええわ」
「長い時間何かしようと思うたら」
 どうかとだ、施も言った。
「やっぱりな」
「諦めるんことやな」
「それが一番大事や」
「それやと長いとか考えんで」
「あとどれだけとかな」
「やってくことやな」
「それをやれば」
 その時はというのだ。
「諦めるもとや、それである程度に達したら」
「あと少しってやな」
「見てな」 
 そうしてというのだ。
「やってくことや」
「そういうことやな」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「やり遂げるんや」
「わし等も」
「千里の道も一歩からなら」
 それならというのだ。
「最初はただ歩いて」
「六百里からか」
「それ位からな」
「あと少しやな」
「ほんまそう考えてやっていったらな」
 それならというのだ。
「ええやろ」
「そういうことか」
「あとやれるかやなくて」
 施はこうも言った。
「絶対にな」
「やれるってか」
「思って」 
 そうしてというのだ。
「やることやろ」
「最初から無理って思わんことか」
「何でもな、結局何でもやってみんとな」
 そうでなければというのだ。
「やり遂げられんな」
「それはそやな」
「そうでもあるしな」
 それ故にというのだ。 
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