ハッピークローバー
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第百十七話 運動会が近付きその十二
「それがね」
「そのトレードで阪神に行って」
「以後は阪神で活躍したのよ」
「そうだったのよね」
「巨人キラーになったけれど」
巨人を追い出された小林がその巨人に勝つ、当時の野球ファン達はその姿にカタルシスを感じ喝采を送った。
「こんなこともあったし」
「巨人キラーになったことはいいけれど」
「胸糞悪い事件でしょ」
「かなりね」
かな恵もむっとした顔で答えた。
「酷いわね」
「それでね」
一華はさらに話した。
「他にも嫌なお話一杯あるしね」
「巨人については」
「だからそのお話もよ」
「嫌なお話ね」
「絶対にそうよ、それもアンチの人がお話したがらないって」
それはというのだ。
「かなりよ」
「そうに決まってるのね」
「間違いないわね」
「それじゃあ調べない方がいいわね」
かな恵はその話を聞いてそれではとなって述べた、そうしてそのうえで部活に出てその「部活を楽しんでいたが。
ふとだ、彼女はその話が気になってだ。
それでだ、部長に尋ねた。
「あの、先生が名前だけ出す湯口事件って」
「調べない方がいいわよ」
即座にだ、部長はかな恵に暗い顔で答えた。
「絶対にね」
「かなり酷いお話ですか」
「そうよ、私もアンチだけれどね」
アンチ巨人だというのだ。
「その私も思い出したくない位ね」
「親なお話ですか」
「今もあまり思い出さない様にしてるから」
そうして話しているというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「私も言わないから」
「そうですか」
「それで自分で調べることもね」
「お勧めしないですか」
「機会があったら聞くわ」
この話をというのだ。
「本当にね」
「そうですか」
「それで知るけれど」
「それでもですか」
「知っても嫌になるわよ」
「そうなることが確実ですか」
「そうなのよ、だから先生も言わないのよ」
嫌な事件だからだというのだ。
「そうなのよ」
「そうですか」
「そんなお話もあるのよ」
部長はかな恵にあらためて話した。
「知らない方がいい話もね」
「そうなのですね」
「それでそうしたお話が耳に入るのよ」
「こっちは聞く気がなくても」
「そうよ、自然とね」
「そうなるんですね」
「だからね」
それ故にというのだ。
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