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男はそこを狙え

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第二章

「その方がいいわよ」
「そうなの。他には」
「どうすればいいか」
「襲われたら」
「後は急所攻撃ね」
 亜美はこれだと言い切った。
「ほら、男の人のあの部分を」
「あそこね」
「いざとなったら蹴飛ばすなり叩くなり、もう何でも攻撃したらね」
 そうすればというのだ。
「いいのよ、相手が一人なら」
「それでいけるの」
「もうあそこを攻撃したら」
 そうすればというのだ。
「男の人ならイチコロでしょ」
「言われてみたら」
「だからね」
「いざとなったら」
「そこを一撃よ」
「凄いわね」
「凄くないわよ、もうこれが一番効くから」 
 だからだというのだ。
「やっちゃえばいいのよ」
「そうなの」
「いざとなったらね、いいわね」
「ええ。そうすればいいのね」
「そうよ、ただ安全第一だから」 
 またこう言う亜美だった。
「今のうちにね」
「ええ、今夜お父さんとお母さんに相談するわ」 
 恵美子はこう答えた、そしてすぐに実家に戻ってそこから通勤する様になった。だが後日亜美に行言った。
「言い寄って来る男がいてしつこいと引き千切るって言ったら」
「引いたの」
「逃げたわ。男の人ってやっぱり」
「そう、あそこはね」
「最大の弱点ね」
「だからいざとなったらよ」
「あそこを攻撃したらいいのね」
「そうよ、覚えておいてね」
「そうするわ」
「私は攻撃したことないけれど」
 実際にとだ、亜美は答えた。
「覚えておいてね」
「いざという時は」
「あそこを一撃よ」
 これで済むとだ、亜美はこの時も言った。そして恵美子と二人で恵美子が難を逃れたことを喜んだのだった。


男はそこを狙え   完


                   2024・2・15 
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