お見合い相手は幼馴染み

　　　　　　　　　　　　　　　　お見合い相手は幼馴染み
　かなり嫌々だった。
　サラリーマンの川端保高はお見合いに出た、面長の顔で野菜い顔立ちで眼鏡をかけていて黒髪はショートにしている。背は一七三程ですらりとしている。
　スーツを着てだ、お見合いの話を盛って来た姉の井上静香一七〇近い長身でモデル並みのスタイルと顔立ちで長い茶色にしている髪の毛をセットしている彼女に言った。
「スーツも普段の仕事のじゃなくて」
「駄目に決まってるでしょ」
　ＯＬの姉も普段とは違うスーツである。
「そんなのは」
「一張羅じゃないとなんだ」
「そうよ、それがお見合いでしょ」
「全く。お見合いなんて」
「ずっと結婚しないとかないでしょ」
　これが姉の返事だった。
「姉さんもうちの人もよ」
「お見合いでだよね」
「結婚してるからね」
　それでというのだ。
「あんたもよ。今回のお相手はね」
「姉さんの職場の後輩の娘だよね」
「あんたと同じ歳だしね」
「いい人なんだね」
「絶対にあんたと合うから」
　相性がいいからだというのだ。
「本当によ」
「お見合いして一緒になっても」
「いいから。じゃあ行きましょう」
　お見合いの場にとだ、姉は自分の夫と両親と共にだ。
　保高をお見合いの部屋に連れて行った、そこは奇麗な和室でありすでにお見合い相手の女性はいた。その人はというと。
　黒髪を奇麗に後ろで団子にしていて小さな楚々としたやや丸い顔で可愛い目鼻立ちで桃色に花の振袖姿である。
　その彼女を見てだ、保高は思わず言った。
「えっ、優子ちゃん」
「え、ええ」　
　その女性高橋優子は保高に顔を向けて応えた。
「実は職場の先輩がね」
「うちの姉さんだったんだ」
「先輩が私が彼氏いないって知ったら」
　そうすればというのだ。
「それでね」
「俺とのお見合いをなんだ」
「言ってね。私のことは」
「サプライズよ」
　笑ってだ、姉が言ってきた。
「あんたへのね」
「最初に言ったらいいのに」
「そうしたら面白くないでしょ、それでね」
　そうであってというのだ。
「ここはよ」
「そうしたことしたんだ」
「ええ、じゃあこれからね」
「お見合いだね」
「はじめましょう」
　こう言ってまずはお互いの家族を交えてのお見合いとなった、ご近所でお互い子供の頃から知っているそれは和気藹々としていて。