ハッピークローバー
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第百十七話 運動会が近付きその五
「別にね」
「困らないのね」
「流石に人が少ないと困るけれど」
「人もいるし」
「まして今は無責任な娘いないし」
留奈はこのことも話した。
「だからね」
「あっ、それだとね」
「余計にいいでしょ」
「やっぱりいい人が揃ってるとね」
「尚更いいわよね」
「そうよね」
「無責任で底意地悪くてイキリで何もしないで偉そうとかね」
ここで理虹はこんなことを言った。
「自分さえよくてその癖全くの無能の」
「それ誰?」
「親戚の従兄でこんなのいるの」
「そうなの」
「悪いことばかりしててこの前遂に会社首になって」
そうなってとだ、留奈はさらに話した。
「お家からも追い出されたの」
「相当な人だったのね」
「大阪で一番レベルの低い私立受験で落ちて」
「ああ、何か何処かわかるわ」
「でしょ?それで地方の名前書いたら合格する高校に入って」
「それでもだったのね」
「いいことなんか何もしなくて」
そうした有様でというのだ。
「まさに人間の屑だったのよ」
「それでその人がなの」
「会社もお家も失って」
そうなってというのだ。
「何でもこの前ホームレスになってね」
「それからどうなったの?」
「ホームレスとしてもやっていけなくて」
そうした有様でというのだ。
「仲間内でもあんまり酷くてね」
「いられなくなったの」
「それで道で寝ていて」
そうしていてというのだ。
「凍死したらしいの」
「凍死?」
かな恵はその死因を聞いて思わず声をあげた。
「そうなの」
「そう、それで無縁仏に入れられたらしいわ」
「親戚からも縁切られてて」
「それでね」
「そのことはわかったけれど」
それでもとだ、かな恵は留奈に問うた。
「今凍死って」
「いや、何か夏以外結構危ないらしいわ」
「そうなの」
「夜寝るのはね。正確に言うと今の季節に夜寝て」
そうしてというのだ。
「風邪ひいてそれが肺炎になって」
「亡くなったの」
「ええ。、そうみたいよ」
「そうなのね」
「それで日本でも夏以外はね」
この季節以外はというのだ。
「ホームレスの人夜はずっと歩くらしいのよ」
「寒いから」
「それでお昼に寝るらしいのよ」
「そうなのね」
「それで従兄は馬鹿だから」
理由はそれに尽きる、そうした口調の言葉だった。
「夜に寝てね」
「風邪ひいて」
「挙句は肺炎になってね」
「凍死ね」
「そうなったのよ、それで死んでも」
そうなってもとだ、留奈はさらに話した。
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