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ハッピークローバー

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第百十七話 運動会が近付きその二

「ああしたのはね」
「やっぱりそうですよね」
「あんな性犯罪助長する様な」
 そうしたというのだ。
「やばいものはね」
「穿かないですね」
「それかスパッツだから」
 半ズボンでなければというのだ。
「安心してね」
「わかりました」
「それとね」 
 さらに話すのだった。
「うちの運動会は勝敗じゃなくてね」
「イベントですよね」
「どのクラスや部が勝つかじゃなくて」
「楽しむことですね」
「スポーツマンシップを守ってね」
 そのうえでというのだ。
「全力で楽しむものだから」
「スポーツマンシップは守ることですね」
「そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「怪我をしない」
「そのことも大事ですね」
「スペランカーは困るわ」
「スペランカー?」
 そう言われてだ、かな恵は目を瞬かせた。そのうえでそのスペランカーが何かをすぐに聞いたのだった。
「何ですかそれ」
「昔のゲームよ、ファミコンの」
「ファミコンですか」
「そう、ちょっとしたことで死んだのよ」
「そんなに簡単に死んだんですか」
「段差が違うところに落ちたら」
 尚アーケード版ではそんなことはなかった。
「それでね」
「死んだんですね」
「あまりにも脆くてね」 
 その為にというのだ。
「よく怪我する人をね」
「スペランカーって呼ぶんですね」
「そうなのよ、それでね」
 部長はかな恵にさらに話した。
「横浜の多村さんなんかね」
「ソフトバンクにFAで行った人ですね」
「あの人もね」
「よく怪我したからですか」
「スペランカーって言われてたのよ」
 そうだったというのだ。
「遊びでアンダースローの仕草してもね」
「怪我したんですか」
「ちょっとジャンプしてもね」
「滅茶苦茶怪我しやすいですね」
「でしょ?凄過ぎて」
 その怪我のしやすさがというのだ。
「スペランカー多村って言われてそれが定着してね」
「スペランカーって言われる様になったんですね」
「怪我の多い人をね」
「そうですか」
「怪我しない方がいいでしょ」
 部長はかな恵にあらためて言った。
「自分自身にとってもチームにとっても」
「やっぱりそうですよね」
「怪我しないことがね」
 まさにこのことがというのだ。
「何といってもね」
「大事ですね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。 
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