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仮面ライダーディケイド 本当の自分自身

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第二十二章

「さあ、早く行くんだ」
「わかった」
 その彼の言葉を受けてだ。彼もまた変身に入る。
 ベルトを出しそれを腰に着ける。それからだった。
 ケースからディケイドのカードを出しそれを前に出して構え裏返しにしてそのうえでベルトにセットしてボタンを押してだ。言うのだった。
「変身!」
「仮面ライダー」
 また電子音が出る。
「ディケイド!」
 するとだった。赤いラインが彼の顔を包んでだ。ディケイドとなったのだった。
「さて、では行かせてもらうか」
「スサノオは御願いします」
 紅が彼に対して言う。
「彼は」
「わかっている。俺もあいつには聞きたいことがある」
 言いながら前に出る。その彼の前に無数の戦闘員と怪人達が立ちはだかる。しかしだった。
「御前等には用はない」
「何っ!?」
「我等を愚弄するか!」
「愚弄ではなく本当のことだ」
 こう返しながらゆっくりと前に進む。
「俺が今用があるのはスサノオだけだ」
「あの方のところに行かせるわけにはいかん」
「何があろうともだ」
「何があろうともか」
 彼等のその言葉を受けて言うディケイドだった。
「では俺もだ」
「何っ!?」
「どうするつもりだ?」
「何があろうと行かせてもらう」
 こう返すのだった。
「スサノオのところにだ」
「我等を倒してか」
「そうするというのか」
「ならば・・・・・・!」
「生憎だが相手は俺ではない」
 身構えた彼等にまた返す。
「俺が相手をするつもりだったがな」
「何っ!?それでは」
「どうするつもりだ、ディケイドよ」
「来たぞ、士!」
「僕達も!」
「遅れてすいません!」
 カズマにアスム、それにワタルの声がした。
 その声と共にアギト、龍騎、ファイズ、剣、響鬼、カブト、電王、そしてキバが現われた。それぞれの世界のライダー達も来たのだ。
「来てくれたか」
「ああ、あの黒い服の人がこっちの世界に連れて来てくれた」
「それでです」
「この世界に」
「有り難いことだ」
 ディケイドはその彼等を後ろにして言う。
「御前達の心、受け取らせてもらった」
「御前が世界を守る為に戦うのなら」
「僕達もそれは同じです」
「僕達もライダーです!」
 それを言うのだった。彼等もだ。
「だからだ。こいつ等は俺に任せろ!」
「士さんはスサノオのところに!」
「早く!」
「そうさせてもらう」
 ディケイドはその言葉に頷いた。そうしてだった。
 ライダー達と共に前に進む。それも一直線にだ。
 戦闘員や怪人達はカズマ達が請け負う。ディケイドはそのまま彼等の戦いの中を通り過ぎ塔に向かう。そしてその扉を拳を叩き壊し中に入った。
 そのまま塔の中に入り階段を昇っていく。そしてその頂上にいたのは。
「来たか、ディケイドよ」
 後姿だった。背中を彼に向けている。暗い部屋の奥に玉座がある。そこは階段の上にある。その玉座のところだけ微かに光がかかっている。
 その光を見ながらだ。その後姿の男は言ってきたのだ。
「よくここまで来たと言っておこう」
「スサノオか」
「そうだ、私がスサノオだ」
 彼に背を向けたままの言葉だった。
 
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