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神々の塔

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第五十六話 天空に向けてその八

「例え致命傷を受けてもな」
「それでもやな」
「私達は確かに負けた」
 このことは事実だというのだ。
「そやけど生きてる」
「皆な」
「将兵も殆ど生き返れた」
 戦死した者達もというのだ。
「寿命やった者以外は」
「兵器も修理出来るしな」
「全壊したもんは新たに造ればええしな」
「実際に造ってな」
「補充したな」
「そうしたわ」
 中里も答えた。
「それで軍はな」
「すぐに元の状態に戻ったな」
「そうなったわ」
「そや、生きてるとな」
「またやれるな」
「立ち上がって」
 そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「力を取り戻してまたやれる」
「その通りや、負けたが」
 それでもというのだ。
「私達は立ち上がってこうしてや」
「今はこの塔におる」
「そうしてるんや」
「そうね、ただね」 
 ここでアレンカールガリーに言ってきた。
「枢軸の子達もね」
「勝ったと思ってへんな」
「負けたってね」 
 その様にというのだ。
「思ってるな」
「あっちに話を聞くとか」
「この前起きた世界でお昼に食堂で会ったのよ」
 昼食の時にというのだ。
「タゴールにね、日本のカレー食べてたけど」
「カリーやないか」
「そう、チキンカレーをね」 
 こちらのカレーをというのだ、インドではあくまでカリーでありカレーライスではないのだ。カレーは日本の洋食であるのだ。
「食べててあたいの向かいの席やってけど」
「それで話したか」
「そう、ちなみにあたいが食べてたのはカツ丼よ」
 こちらだったというのだ。
「それ食べながらお話していたら」
「勝ったと思ってなかったか」
「あたいが負けたわって言ったら」
 その決戦でというのだ。
「負けたのはこっちやってね」
「負けか」
「そう言ってたわ、何でも枢軸の誰もがね」
 タゴールだけでなくというのだ。
「枢軸はあの戦で負けたってね」
「言うてるか」
「軍は大損害を出して」
 そうであってというのだ。
「消滅と言ってええ位で」
「確かにな。枢軸軍は九割近くやられた」
 軍全体のというのだ。
「その軍のな」
「それで多くの領地も失ったでしょ」
「こっちに割譲したな」
「サマルカンド侵入は防げたけれど」
 十星連合は第一の戦略目的をサマルカンド攻略に定めていたのだ、三星枢軸の帝都であるこの街にだ。 
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