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オズのヘンリーおじさん

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第一章その十

「烏賊や蛸や貝それに海老だってね」
「いいわね」
「だからね」
「何でもなのね」
「食べられる限りね」
「楽しんでもらうのね」
「そうよ、カレーにしても」
 このお料理もというのです。
「シーフードカレーがあるでしょ」
「あのカレーも美味しいわね」
「私達は普通に食べているけれど」
 それでもというのです。
「お二人はどうかしら」
「カレー自体ずっとね」
「縁がなかったわね」
「その筈よ」
「私達よりもね」
「それでカレーっていうと」
 ドロシーはお鍋の河豚を食べつつ言いました。
「ビーフカレーやチキンカレーが主流ね」
「そうね」
「それでシーフードカレーってなると」
「お二人は食べていないわね」
「食べていても殆どね」
「その筈ね」
「ええ、シーフードカレーも美味しいのに」
 それでと言うドロシーでした。
「ここはね」
「お二人にもね」
「食べたいって言ったら」
「ご馳走しましょう」
「是非ね」
「いい考えね」
 ベッツイはドロシーのお話をここまで聞いて頷きました。
「本当に」
「貴女もそう言ってくれるのね」
「さっきも言ったと思うけれれど」
「そうだったわね」
「実際に今河豚美味しいでしょ」
「物凄くね」
「美味しいものは皆が食べて」
 そしてというのです。
「美味しい思いをしてね」
「幸せにならないとね」
「だから」
 それ故にというのです。
「お二人もね」
「今以上にね」
「美味しいものを食べてもらって」
「幸せになってもらうなら」
「それならね」
「二人にお話すべきね」
「是非ね」
「カンサスって本当に海と無縁で」
 それでと言うトロットでした。
「魚介類はね」
「川も湖もね」
「周りになかったのよね」
「井戸はあったけれど」
 それでもというのです。
「雨が降ってそれで畑もやっていけてたけれど」
「川や湖はなのね」
「近くになかったわ」
「それじゃあね」
「おじさんとおばさん魚介類にはね」
「縁がなかったわね」
「あの頃食べるものはあるものばかりで」
 その時お家にというのです。 
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