星河の覇皇
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第八十五部第五章 北京宣言その四十一
「彼はその時もだ」
「見事な活躍をしてくれますね」
「彼は生まれたその時点からそうなる教育を受けてきた」
連合屈指の企業グループの総帥、一国の主に等しい立場になるそれをだ。
「それだけにだ」
「政治家としても優秀で」
「そちらでもな」
「素晴らしい能力を発揮しますね」
「そうだ、しかしだ」
「しかしといいますと」
「確かに八条グループの総帥の座はかなりのものだ」
八条が将来就くそれはというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「帝王学を学ぶべき立場だが」
一国の主に等しい巨大企業の総帥の座はというのだ。
「だが帝王かというとな」
「違いますね」
「経営者でありトップでな」
「君主ではないですね」
「帝王はまた違う」
「それは言うならば」
「首相の国のだ」
即ちタイのというのだ。
「国王陛下でありな」
「彼の国の天皇陛下ですね」
「そうした方々でだ」
「帝王と経営者はまた違いますね」
「そう思う」
まさにというのだ。
「私はな」
「そうなのですね」
「そこは彼もわかっているな、帝王は頂点の座でだ」
「唯一ですね」
「孤独でもある、だが経営者はな」
「孤独ではないですね」
「そうだと思う、私もだ」
キロモト自身もというのだ。
「孤独かというとな」
「違いますね」
「家庭もあるしな、友人もだ」
「おられますか」
「大統領は君主とは違う」
同じ国家元首でもだ。
「それでだ」
「大統領もですね」
「孤独ではない、常に孤独な座はな」
「君主のみですか」
「そう思うと辛い座だ」
君主のそれはというのだ。
「特に皇帝はな」
「天皇陛下も然りですね」
「エチオピア皇帝もだな」
連合のもう一人の皇帝だ、一度断絶し復活してかなりの歳月が経っている。
「そうだな、そして」
「そして、ですか」
「もう一人生まれる」
「サハラにですね」
「アッディーン大統領が統一するか」
サハラを統一してというのだ。
「そうなるか」
「あの御仁でほぼ決まりですか」
「オムダーマンの勝利でな」
「戦局はほぼ決まったのですね」
「そう思う、オムダーマンはティムールの第二次防衛ラインを突破し」
そうしてというのだ。
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