仮面ライダーディケイド 本当の自分自身
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第一章
仮面ライダーディケイド 本当の自分自身
全ての世界は元に戻り仮面ライダーダブルという存在も知った。しかしだった。
門矢士はまだ考えていた。彼は今目の前にあるその道を見ていた。それは一体何処まであるのかわからないような。そうした長い道だった。
その道を見てだ。彼は言うのだった。
「何だったかだな」
「おい、何かあるのか?」
その彼に小野寺ユウスケが問うてきた。彼はまだ門矢と共にいるのだ。
「戦いは終わっただろ?ライダー大戦は」
「そうですよ」
光夏海も言う。二人はそれぞれ門矢を挟んでそのうえで彼に言ってきていた。
「全ての世界もライダー達も元に戻ったじゃないですか」
「それでまだ何かあるのか?」
「あるかも知れない」
門矢は鋭い顔と声で小野寺と光に答えた。
「若しかするとだ」
「だから何があるんだよ」
「もう士さんもまともなカメラマンになったしやることはないじゃないですか」
「いや、やはり違うな」
だがまた言う門矢だった。
「仮面ライダーの戦いは終わることのない戦いだ」
「終わることのない戦い」
「そうだというのですか?」
「ライダーの敵は何かだ」
門矢はそのことについても考えていた。
「敵は何だ」
「だから大ショッカーだろ?」
「それも崩壊したじゃないですか」
「まだだな」
門矢と二人の言葉は噛み合っていなかった。しかしそれでも話を続けるのだった。草原の中央に一本だけ伸びる道を前にしてだ。
「大ショッカーはまだ存在している。それは間違いない」
「ドラスも倒して要塞も破壊したのにか!?」
「もう戦力はありませんよ」
「大ショッカーの問題は戦力だけではない」
また言う門矢だった。
「いや、戦力はどうとでもなるのだ」
「どうとでもって」
「あれだけの戦力がですか!?」
「あらゆる世界に介入できそしてあえてその世界を崩壊させようとはしない」
彼は言葉を続けていく。
「それがその存在だ」
「その通りだよ」
ここで出て来たのは海東大樹だった。彼は門矢達の後ろに思わせぶりな笑みを浮かべながら来たのであった。
「それはね」
「見て来たのか」
「見て来たというか感じたんだよ」
こう門矢に返してきたのだ。四人一緒になった。
「あの存在をね」
「あの存在をか」
「そう、スサノオ」
海東は話にその名前を出してきた。
「それをね」
「スサノオ!?」
「何ですか、それ」
小野寺と光はその名前を聞いて驚いた顔になりすぐに問い返した。
「あれか?日本の神話に出て来る」
「ヤマタノオロチを倒した」
「名前は一緒だけれどかなり違う存在だよ」
海東はそう話していく。
「これまでの。ショッカーから続く全ての組織を操ってきて」
「全ての組織を」
「そんな存在なのですか」
「そうだよ。グロンギもオルフェノクもアンデットも」
これまでのライダー達が戦ってきたその敵達である。
「アンデットもワームも。勿論イマジンやファンガイアもね」
「そういう連中を全部操ってきたってのかよ」
「私達の世界だけでなく他の世界も」
「僕の世界にしても」
海東が元々いた世界についても彼自身の口から話すのだった。
「そうだったんだ」
「そのスサノオがか」
「仕掛けていたんですか」
「そう、全てね」
「全てって」
「とんでもない存在なんじゃ」
二人は海東の話を聞いているうちに唖然となっていた。しかも彼の話はまだ続く。むしろまだはじまったばかりだと言ってよかった。
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