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オズのヘンリーおじさん

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第一章その六

「お寿司もね」
「そうですよね」
「けれどカンサスにいた頃は」
 その頃はといいますと。
「魚介類自体をね」
「食べることはですね」
「なかったわ」
「大平原の中で」
「とてもね、海のものは」
 それこそというのです。
「見たことすらね」
「なかったですか」
「海自体見たことなかったから」
 だからだというのです。
「そこにあるものなんてね」
「食べたこともですか」
「なかったわ」
「そうだったんですね」
「けれどオーストラリアに行った時にね」
「ビリーナと出会った」
「それでオズの国に二度目に行った時に」
 まさにその時にというのです。
「海を見たわ」
「そうだったんですね」
「そしてオズの国ではね」
「周りは海なので」
「冒険に行って」
 その時にというのです。
「よくね」
「ご覧になられてるんですね」
「そうなの」
 こう恵梨香にお話します。
「私もね」
「そうですか」
「日本料理だとお刺身に天麩羅にお鍋に」
「お寿司ですか」
「焼き魚も煮魚も好きよ」
 こうしたお料理もというのです。
「お味噌汁もお吸いものもね」
「鱧のお吸いものいいわね」
 エリカが舌なめずりして言ってきました。
「あんな美味しいお魚があるなんて知らなかったわ」
「鱧はね」
 恵梨香はエリカのその言葉に応えました。
「私も好きよ」
「美味しいからよね」
「ええ、小骨が多いけれど」 
 それでもというのです。
「お吸いものにしてもあらいにしてもね」
「揚げてもよね」
「凄く美味しいから」
 だからだというのです。
「私もね」
「好きよね」
「凄くね」
「そうそう、鱧のお吸いものもあって」 
 ドロシーもそれでと応えます。
「お魚はお味噌汁にしてもね」
「お好きですか」
「それでお寿司もなのよ」
「今では海の幸にも馴染まれていますね」
「川や湖のものにもね」 
 ドロシーは恵梨香ににこりと笑って答えました。
「そうよ」
「オズの国は川や湖にいる鯛や鮪もいますね」
「そうしたお魚もね」
「お好きですね」
「お寿司にしてもね」
「何かお寿司が一番お好きみたいですね」
 恵梨香はお寿司のことをよくお話に出すドロシーに尋ねました。 
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