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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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12-5

 しばらくして、連盟の人が2人視察に来た。私達はメイングラウドの横の私達のグラウンドで練習していたのだが、紅林先生が対応していて、近くに来て

「ここで、いつも練習を・・・」

「はぁ もともとは雑草だらけの荒地だったのですが、去年の今頃でした。一人の女子が草むしりから、たった一人でボールを蹴って追いかけたりして・・・そのうちに、数人の女子達が整地から始めまして・・今は、この通りです」

「はぁ ひとりでねー・・・ 部員もそれなりに揃っているみたいで・・・いささか、狭いでしょ?」

「そうですねー 今年、6人の新入生が増えましてネ でも、彼女達はここで工夫しながら練習しています。それに、土曜日の午後はあっちのクラウンドが空くのでオープンアタックとかも練習していますので・・」

「いや 私どもも 中学女子の単独登録は初めてなもんで・・・びっくり してるんですよー この地域は、男子でも、5.6校しか無いもんでー それも いきなり、クラブチームに勝利したとか・・・まだ、1年程なんでしょう? そこのコーチに聞くと、すぐにでも、大阪代表候補にはなれる者が何人か居るとか・・確かに、さっきから見ていると脚が速いし、パスワークも良いですねー」と、以前見学に行った時の中学校の監督の人なんだ。

「はぁ ここの学区の陸上の候補選手が揃ったみたいでー みんな素晴らしい子達です 情熱が違いますよー チームワークも良い 仲間意識が強いんです」

「でも ポストも無いんですね だけど、ドロップゴールも正確に決めていたとかー」

「はい あの子達は頭の中に ポストを描いていて、練習していますからー」

「わかりました 素晴らしいですね 我々もワクワクしますよ 中学生女子のチームなんてー 市内の女子生徒達も盛り上がります これから、出来るだけ協力させてもらいます グラウンドの件とか練習相手・・・女子の場合は難しいですが、そのことも含めまして」

 そして、その人達が帰る時になって、先生は私達を集合させて並ばせて挨拶をさせていたのだ。この前の試合の時もそうだったのだけど、こういうとこは紅林先生 当たり前の様に厳しいのだ。

 その日の練習が終わった後、私は2年3年生に集まってもらって

「なぁ 新入生を甘やかしすぎなんちゃうやろかー? まだ、ぶつかりもタックルもさせんとー 猫が手を出してるみたいなん あんなんで相手倒せへんでー もう ええ加減に・・・やらんとー 璃々はどう考えてるんや?」

「うーん でもねー 激しいことは・・・せっかく入ってきたのに、辞められるとなぁー」

「そんなん ゆうてもー ウチ等も最初は怖かったけど、やらなしゃーぁなかったやんかー? 美鈴も鈴花もそうやー 無理やりにでもやらせてたんやんかー 美鈴もどうやった? 最初はびびってたけど、直ぐに慣れたやろー?」

「うーん 今でも 恐いで・・・この前の試合の時も・・ でもな ウチがやらなー みんなに迷惑掛けたぁないから・・・ だから・・・まだ 2週間ほどやんかー ラグビー初めてなんやろー もう ちょっと様子見てー」

「そうよねー ゆっくりと 慣れて行ってもらおうよー」と、璃々も

「なにゆうてんネン そんなのんびりとしてーぇ ウチ等 時間無いでー 全国まで なぁ 美玖は、どう思う?」 美玖は、いつも相手の膝を目掛けて飛び込んでタックルに行くのだ。だから、私も見習っていたから、援護してもらおうかと

「そーだねー・・・ 思いっ切りが出来るか どうかなんよねー 躊躇すると怖くなるネン 絶対にこの相手を倒すんだって思うと、向かっていくしかないヤン 恐いとかゆうてられへんでー ウチは・・・ラグビーやるって決めたら、慣れてからとかやでなくて 腹くくってやれ! って・・・タックルするんは絶対必要やー ラグビースクールとちゃうんやでー できひんかったら、辞めても しゃぁーないヤンと思う みゅんがゆうてること 賛成やー」 私はウンウンと頷いていた。やっぱり、美玖先輩は私の鏡やーとも思っていた。すると、桜子先輩が

「まぁ 美鈴も紅林先生とも話し合って・・・怪我でも されたら 先生に迷惑かかるやんかー 美玖とみゅんは 普通の女の子とちゃうねんから 二人とも そこは相手のことも考えてなー」

「なんやー 普通の女の子とちゃうってー」と、私と美玖先輩は同時に発していて、顔を見合わせていたのだ。そして、お互いに 大笑いをしていた。

 その帰り道、泉希に私は

「泉希 さっき なんで黙ったままやったん? 泉希はどう思ってたん?」

「みゅん 美鈴と鈴花が入ってきた時のこと覚えてる? ウチ等より後で 成り行きみたいに入ったやんかー? 最初 揉み合ったりするん 恐かったと思うでー ウチもみゅんに付き合わされて、えらいことになったなぁーって璃々と話してたんやー それでも、あの子等も ウチ等に追いつこうとして必死に頑張ったんやと思うでー 二人で覚悟したんやろー みゅんみたいに天性で向かっていくんと違うんやー だから、美鈴は新入生達にその覚悟があるんやろかと 今、見極めようとしてるんちゃうやろか? 教育係として 璃々も、ある程度は美鈴に任せたからー」 

「・・・泉希 ウチ 余計なこと ゆうてしもーたんやろか? だから 桜先輩もウチ等に水を掛けるようにー・・・ ほんで 泉希は黙ってたんか?」

「まぁ みゅんの気持ちも充分 わかるしなー ウチがみゅんを擁護したら あの場は余計に混乱するやろー? だけど みゅんは何か焦り出したなー なんやでやの?」

「うん 桜も美玖も3年やんかー 夏までやー 申し訳ないけど 今年は どう転んでも全国 無理やー 来年に目標合わせる そやからー 今度の新入生の中から・・・ だけど、あの二人は飛びぬけて・・・ウチ等の主力やんか? 穴埋め 出来るやろか・・・」

「そうだねー あーぁ どうしても みゅんが大きな奇跡を起こすのに 付き合わさせられるんかぁー」

 さよならを言う時 泉希 あんたは みゅうみゅんには素晴らしい相棒やわーと思っていた。
 
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