X ーthe another storyー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
最終話 終幕その五
「そのうえでだ」
「一緒か」
「そうなる」
「そうか、こんなにいい結果になるとはな」
「思わなかったな」
「とてもな、星史郎さんは残念だったが」
ここでも彼のことを想って言った。
「しかしな」
「それでもだな」
「他のどの人も死なずに済んだ」
「おじさんもな」
「本当によかった、やはり運命は変わるな」
「そして俺達はその運命の下で生きているな」
「そうだな、ならその運命のままだ」
多くの者が生きているそれのというのだ、封真は神威に対して優しい笑顔を向けてそのうえで話を続けた。
「いられる様にしよう」
「これからもな」
「運命は変わる」
「今の状態からもな」
「いいものにするのも悪いものにするのもだ」
どうなってもというのだ。
「俺達次第だ」
「全くだな」
「そしてだ」
封真はさらに言った。
「いいものであり続ける様にしよう」
「ああ、これからもな」
「そして公園では」
「楽しもう」
「皆でな」
こう話した、そしてだった。
一行は公園で楽しむ準備を進めていった、そうしてその日になるとまずは小鳥が家を出て父に言った。
「お父さん、それじゃあね」
「今からだな」
「行って来るね」
「ああ」
父は娘に微笑んで応えた。
「楽しんで来るんだ」
「そうしてくるわね」
「神威とな」
「うん、それで神威ちゃんだけれど」
父に彼のことを話した。
「今はアパートで暮らしてるけれど」
「将来はか」
「一緒に暮らしていいよね」
こう父に言うのだった。
「そうしても」
「勿論だ」
これが父の返事だった。
「それはな」
「それじゃあね」
「うちは広いからな」
「神社でね」
「神社の敷地だけでなくだ」
「お家もね」
「広いからな」
だからだというのだ。
「神威が来てもな」
「充分ね」
「そこに封真がだ」
今身支度をしている彼がというのだ。
「誰か連れて来てだ」
「家族になっても」
「それぞれの家庭が出来てもな」
例えそうなってもというのだ。
「充分にだ」
「暮らせるだけの広さはあるわね」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「安心してだ」
「神威ちゃんと一緒に暮らしていいわね」
「その時が来ればな」
その徳はというのだ。
ページ上へ戻る