おぢばにおかえり
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第七十八話 教会長さんその三十七
「そうします」
「よくしてあげてね」
「そういうことで」
私は白石さんの奥さんに答えました。
「やらせてもらいます」
「そうしてね」
「はい」
私が答えたところで、でした。
新一君が事務所の前に来て言ってきました。
「先輩おられます?」
「何?」
無意識のうちに少し不機嫌な声を出して答えてしまいました。
「私はいるけれど」
「いやあ、今日もお元気そうですね」
「元気だけれどね」
やっぱり少し不機嫌な感じで答えました。
「この通りね」
「それは何よりです」
「それで何の用?」
「用はないんですが」
物凄く明るい返事でした。
「実は」
「いつも通りね」
「はい、先輩のお顔を見に来ただけです」
「本当にそれだけで」
「お元気そうで何よりでした」
また言うのでした。
「じゃあ回廊ひのきしん行ってきます」
「まずそっちに行ったら?」
こう思うしかありませんでした。
「天理高校から神殿本部まで一直線じゃない」
「回廊ひのきしんをさせてもらえる」
「そうよ、まず神殿本部に行って」
そうしてです。
「それからよ」
「詰所にですね」
「そうしたらいいでしょ」
新一君にわからないといったお顔で言いました。
「本当に」
「いえ、僕の場合は違いまして」
「まず詰所に来てなの」
「先輩のお顔を見まして」
そうしてというのです。
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