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夢幻水滸伝

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第三百三十二話 優勢なままでいる為にその十四

「壁画みたいにです」
「一杯あるんやな」
「そうです」
 見れば巨大なそれが並んでいる、種類も多い。
「この通り」
「化石をここまで観られるなんてな」
「そうはないですね」
「こっちの世界でもな」
「こちらの世界では恐竜は今もいます」
「起きた世界でもどうも」
 エリカは未確認動物として語られる彼等の話をした。
「おるらしいけどな」
「よく聞きますね」
「我が合衆国でもな」
「五大湖の方のチャンプとか」
「カルフォルニアの方でも聞くな」
「はい、しかし」 
 それでもというのだ。
「まだ確かにはです」
「おるって断定出来てへんな」
「はい、そやけどこちらの世界では」
「おるってはっきりしてるな」
「限られた地域にいますね」
「ごく一部の浮島やギアナ高地にな」
 この世界では恐竜達はそうした場所に棲息している、様々な種類が存在していてジュラ紀や白亜紀そのままの環境の中で暮らしているのだ。
「おるな」
「そうですね、それでここは」
「かつて恐竜がよおさんおって」
「気が遠くなる様な過去に」
「それで今はやな」
「化石としています」
「そうやな、三葉虫もあるな」
 この生きものの化石もというのだ。
「見れば」
「そうですね、三葉虫もいますけどな」
「この世界にはな」
「ギアナ高地等に」
 そしてごく一部の浮島にだ。
「いますね」
「そうやな、しかし化石をな」
「こうしてですね」
「普通に大勢見られるのはな」
「凄いですね」
「ほんまな、恐竜はロマンや」
 エリカはうっとりとした顔でこうも言った。
「ほんま」
「そうですね」
「そやからな」 
 だからだというのだった。
「今ここに案内してもらって嬉しいわ」
「どうもです、おいらも最初に見てです」
 笑顔でだ、オニールは話した。
「感動しました」
「そやろな、私もな」
「今感動されてますね」
「心からな、ええとこや」
 こうも言ったのだった。
「ここは」
「そうですね」
「暫くここにいたい位や」
「ほなここでお昼にしますか?」 
 オニールは笑ってこう提案した。
「これから」
「ああ、お弁当持って来たんは」
「そうしたくて」
 それでというのだ。
「それで、です」
「そやってんね」
「サンドイッチですが。ちなみに今日の軍の昼食です」
「それそのまま持って来たんやな」
 エリカは笑って応えた、見れば二人だけでなく将兵達も一緒だ。三十人位いて共に峡谷を巡っている。 
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