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新オズの臆病ライオン

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第十一幕その十一

「僕は平気だしむしろね」
「好きなんだ」
「そうなんだ」
 こう言うのでした。
「これがね」
「そうなんだ」
「だから今から入ろう、怖がることはないよ」
「そうなんだ」
「お化け屋敷は怖がる場所じゃなくて」
 あくまでというのです。
「スリルをね」
「楽しむ場所だね」
「だから楽しもうね」
「今からね」
「それじゃあ、ただ僕達はね」
 神宝はここで少し苦笑いになって言いました。
「子供でね」
「お化け屋敷ってね」
「怖いね」
「どうしても」
「暗い場所に急に何かが出て来たりして」
 恵梨香達四人も言います。
「どうしてもね」
「そうだよね」
「今も少し怖いし」
「何が出て来るか」
「そう思うだけで」
「いやいや、襲われたりしないからね」
 臆病ライオンは五人に笑ってお話しました。
「だからね」
「怖がらないで」
「そう思う必要なくて」
「それでなんだ」
「中に入って楽しむ」
「そうすればいいんだ」
「そうだよ、何なら僕が傍にいるから」
 こうも言う臆病ライオンでした。
「楽しんで行こう」
「そう言ってくれるなら」
「傍にいてくれるなら」
「臆病ライオンさんがいるなら心強いし」
「勇気があるうえに優しいから」
「凄く頼りになるから」
「頼られたら嬉しいし」 
 それでとも言う臆病ライオンでした。
「入ろうね」
「うん、それじゃあ」
「入りましょう」
「それで楽しもう」
「スリルをね」
「皆で」
 五人もそれならと頷きました、そしてです。
 皆でお化け屋敷の中に入りました、暗くておどろおどろしい場所に色々な幽霊や妖怪達がいてでした。
 そうして急に出て来たりして驚かせてきます、ですが。
 よく見ると絶対に襲い掛かって来ません、それで神宝達も言いました。
「怖がらせてくるけれど」
「それで驚かせてくるけれど」
「襲ってこないし」
「安全だね」
「場所も暗くておどろおどろしいだけで」
「そうだね、それがお化け屋敷だよ」
 五人と傍にいる臆病ライオンが言ってきました。
「怖がる場所じゃないんだよ」
「というか本当に怖いなら」
「最初から入らないといいね」
「そうよね」
「テーマパークは楽しむ為の場所だし」
「入りたくないなら」
「そうだよ、楽しくないならね」
 それならというのです。 
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