八条学園騒動記
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第七百三十四話 猛獣以上の災厄その十一
「無駄に犠牲を増やす」
「子供を軍艦に乗せただけですね」
「それもいきなりな」
訓練なぞ受けさせずだ。
「戦場に送り込む」
「まさに数合わせで」
「そしてだ」
「戦死させますね」
「訓練を受けていない兵士はそれだけでだ」
「犠牲の元ですね」
「そうだ、ましてそれが子供ならな」
それこそというのだ。
「死にに行く様なものだ」
「左様ですね」
「数が少しでも必要でな」
独裁者や暴君がそう考えてというのだ。
「まさに根こそぎだ」
「国民を動員して」
「軍需工場で働かせるかな」
「戦場に送りますね」
「子供までな、老若男女だ」
まさに全てというのだ。
「戦場に送ってだ」
「死なせますね」
「そうする、そして彼等が倒れた時はだ」
「多くの血が流れ」
「暴政により衰弱した国土と産業とな」
そうしてというのだ。
「廃墟がだ」
「残されますね」
「自分が死ぬならだ」
そうなるならというのだ。
「もうだ」
「国家はどうなってもいい」
「むしろ死なば諸共でだ」
この考えでというのだ。
「そうしたことをだ」
「させますね」
「小学校に行っている十歳にもいかない様な子供すらだ」
「戦場に送りますね」
「そうした独裁者や暴君もいた」
サハラにはというのだ。
「幾ら何でも連合やエウロパではな」
「そうしたことはないですね」
「馬鹿げた公約を掲げてな」
「その公約を実現させようとするか」
「若しくは全て反故にしてな」
その公約をというのだ。
「ふざけた政策を行う」
「そうした政権は多々ありましたね」
「活動家がそのまま当選した場合も多い」
政治家と活動家は違う、政治家は現実を見ているが活動家は妄想を見ている場合がある。そして活動家は自分のことしか考えない輩もいるのだ。
「だがな」
「それでもですね」
「どちらも戦争はないからな」
「そうしたことはないです」
「子供を利用することはある」
彼等の政治的主張を押し通す為にだ。
「それはある、しかしな」
「それでもですね」
「戦争がない、戦乱はだ」
「どちらも無縁なので」
「そうしたことはない、子供を戦場に送るなぞだ」
まともな訓練も受けさせずにだ。
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