| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

神々の塔

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十三話 半ばを過ぎてその八

「降して仲間にしてたね」
「そうなってたのにな」
「引き分けたさかい、うち等」
「実質負けやな」
「そやね」
 綾乃も残念そうに応えた。
「あの戦は」
「ああ、あの戦力で攻めてな」
「勝てへんで」
「こっちの戦略目標達成出来んかったからな」
 それ故にというのだ。
「ほんまな」
「そやったね」
「ほんまやられたな」
 あの時はとだ、羅は羊肉の串焼きを食べつつ言った。
「あの戦は」
「勝てると思ってたけど」
「確実にな」
「それがやったね」
「ほんまな」
 それこそというのだ。
「あの連中の強さは予想以上やった」
「五千万対五百万で」
 綾乃はその時の両軍の戦力の話もした。
「装備もこっちが一世代以上上やったね」
「こっちが単葉機で向こうは複葉機でな」
 羅は兵器の違いを具体的に話した。
「戦車もこっちは回転砲塔、相手は車体だけ」
「銃も自動小銃やったし」
「軍服も鎧も防弾チョッキも整っててな」
「装備でも圧倒してて」
「我等の数も圧倒してた」 
 羅は今度はこちらの話をした。
「ほんまな」
「何もかもが優勢やったね」
「それがや」
「引き分けやね」
「ああ、あの連中が想定より遥かに強うて」
 エカテリーナやタゴールを筆頭とした三星枢軸の星の者達がというのだ、尚全員が天の星の者達である。
「神星レベルになってたわ」
「あっちの子達は皆そうで」
「しかも神星の三人はや」
 エカテリーナ、タゴール、ターリヤの三人はというのだ。
「さらにや」
「うち等よりずっと強うなってて」
「それでや」
「もう最初こっちは一撃で軍全体がダメージ受けて」
「連中の暴風と地震と津波が同時に来た様な攻撃もな」
 これも受けてというのだ。
「何とか軍を持ち堪えさせたが」
「いや、大変だったわ」
 アレンカールはチーズを食べつつ言った、こちらも食卓に出ているのだ。他にはドライフルーツもある。
「何とか軍を持ち堪えさせて立て直して」
「皆必死に戦って」
「押されまくってたけれど」
 その状況をというのだ。
「ほんまね」
「何とか立てなおして」
「それで戦ったけど」
「うち等も満身創痍やったし」
 綾乃は黒パンにバターをたっぷりと塗りつつ話した。
「全軍ボロボロになって」
「損害も凄かったわ」
「それでサマルカンド攻め落とせんかったし」
「負けよ」 
 アレンカールが見てもだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧