おぢばにおかえり
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第七十八話 教会長さんその三十五
「人としてかなりいいところだから」
「公平なところは」
「ええ、ただあの子は本当に嫌いだとね」
「露骨過ぎますからね」
「徹底してね」
白石さんの奥さんが見てもです。
「そうした子だから」
「そこはですね」
「なくしていく様にすることよ」
「私もですね」
「いいわね」
「かなり難しいですが」
私が見てもです。
「そうしていくことですね」
「千里ちゃんが一番お仕込みすべきかもね」
「私が一番ですか」
「そうよ、一番ね」
「あの、仰木さんじゃないんですか?」
新一君が所属している布教所の所長さんです、一番となるとやっぱりその人じゃないかと思って言いました。
「何と言っても」
「いや、千里ちゃんよ」
「またどうしてですか?」
「毎日会ってるし」
「新一君の方から来るんです」
本当にいつもです。
「だからです」
「それに阿波野君とはずっと一緒にいることになるからよ」
「同じ大教会だからですね」
「まあそこはね」
何か奥さんが少し残念そうになりました。
「千里ちゃんもわかるわ、そのうちね」
「そのうちですか」
「わかったらその時はね」
「その時ですか」
「驚かないでね」
こう言われるのでした。
「いいわね」
「はい」
最近どの方からも言われて不思議ですが頷きました、何で言われるのかはわからないですがそうしました。
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