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星河の覇皇

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第八十五部第五章 北京宣言その十六

「どうしてもね」
「これから人口が増えますと」
「どうしてもですね」
「少ないですね」
「十個艦隊では」
「事実中国は苦労しているわ」
 十個艦隊での防衛をしていてだ。
「かなりね」
「千八百億の人口を十個艦隊で守る」
「各国軍だけですと難しいです」
「中国軍は五千万位ですが」
「それで千八百億の人口を守りきるか」
「国土も広いし。アメリカも苦労しているし」
 中国に次いで人口の多いこの国もだ。
「国土が最も広いロシアはね」
「尚更ですね」
「十個艦隊であの広大な国土を守る」
「それが非常に難しく」
「やはり苦労していますね」
「ここから人口が増えると」
 そうなればというのだ。
「尚更ね」
「国防が難しくなりますね」
「各国軍のそれは」
「だからですね」
「中央政府軍は連合全体を守るけれど」
 それでもというのだ。
「各国軍はそれぞれの国を守って」
「その任務を全うしなければならない」
「絶対に」
「何があっても」
「だからね、最大十個艦隊ではね」
 どうしてもというのだ。
「難しくなってくるから」
「将来を見据えて」
「そうしてですね」
「各国も主張していますね」
「連合の人口増加を見て」
「連合は多産を奨励しているわ」
 その為に様々な社会保障政策を実施している、これは人口が国力の重要な要素の一つであるからである。
「そしてその政策が成功していてね」
「人口は増え続けています」
「連合建国以来」
「今は四兆になっています」
「百年後は十二兆になると予想されています」
「人口増加の割合も増えています」
「これまでは百年で二倍だったけれどね」
 それがとだ、伊東も話した。
「今ではね」
「百年で三倍です」
「余計に多くなっています」
「そのことを考えますと」
「今の時点で二十個艦隊は欲しくて」
 それでというのだ。
「百年後はね」
「増加を考えると六十個艦隊ですね」
「単純計算でそれだけですね」
「それだけの規模の国軍が必要ですね」
「そう思うわ、小国は十個艦隊で充分でも」
 それだけの艦隊で国防を全う出来てもというのだ。
「日本にしても人口は六百億よ」
「六百の人口と多くの星系を十個艦隊で防衛していますが」
「それもですね」
「どうにもですね」
「限界が見えてきていますね」
「ええ、連合全体の防衛は中央政府軍の管轄だけれど」
 それでもというのだ。 
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