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幼馴染みの引っ越し先

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第二章

「色々悲しいとか寂しいとか思ったじゃない」
「僕がいなくなるから」
「幼稚園からずっと一緒だったのにね」
「いや、言おうとしてたよ」
 徳一はここでこのことを話した。
「僕も」
「そうだった?」
「そうだったよ」
 実際にというのだ。
「ずっとね」
「そうだったのね」
「けれどね」
 それがとだ、徳一はさらに話した。
「その前に言ってたから」
「そうだったかしら」
「うん、けれど大阪に引っ越しても」
「学校はこのままね」
「そうだから」
 それでというのだ。
「これから宜しくね」
「それじゃあね」
 一紅もそれならと応えた。
「こちらこそ」
「うん、それで今日だけれど」
 笑顔でだ、徳一は一紅にあらためて話した。
「お昼食堂カツカレーが安いんだ」
「そうなの」
「一紅ちゃんカツカレー好きだよね」
「ええ」
 笑顔での返事が何よりの答えだった。
「そうよ」
「そうだね、じゃあお昼行く?」
「行くわ」 
 一も二もない返事だった。
「絶対にね」
「僕も行くから」
「じゃあ二人でね」
「カツカレー食べよう」
 幼馴染み同士で話してだった。
 その日二人で実際にカツカレーを食べた、そのカレーを食べて一紅は徳一ににこりと笑って言った。
「美味しいわ」
「そうだね」
 徳一も笑顔で応えた、二人は今向かい合って座って食べている。
「ボリュームもあるし」
「いいわね」
「家が大阪でも神戸でもね」
「学校は同じのままだし」
「食べるカレーも同じ」
「そうよね」 
 こうしたことを話してカレーを食べた、そのカレーは実に美味いものだった。


幼馴染みの引っ越し先   完


                  2024・1・18 
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