星河の覇皇
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第八十五部第五章 北京宣言その十二
「そちらの調整もね」
「最終段階ですね」
「それに入りましたね」
「あと少しで、ですね」
「宣言ですね」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「私も、そしてね」
「我々もですね」
「今それに入っていますね」
「最終調整ですね」
「それに入っていますね」
「そうよ、しかしね」
伊東はこうも言った。
「宣言は終わりではないわ」
「むしろはじまりですね」
「序曲ですね」
「それですね」
「そう、序曲に過ぎないわ」
こう言うのだった。
「これからのことを考えるとね」
「各国政府と中央政府の争いの」
「各国政府の権限拡大の為の」
「その抗争のはじまりですね」
「政治のそれの」
「そうよ、何時終わるかはわからないけれど」
それでもというのだ、政治の争いというものは期限は決まっていない。長くかかる場合も普通にあるのだ。
「それでもね」
「それがはじまる」
「それに過ぎないですね」
「これからのことを考えると」
「序曲ですね」
「序曲は確かに大事よ」
伊東は歌劇のそれの話をした。
「歌劇で一番有名な曲になる場合もあるわね」
「はい、確かに」
「中には序曲だけ知られている作品もある程です」
「序曲は兎角重要です」
「その作品にとって」
「そう、最初に観客の心を掴む」
歌劇場にいる彼等のだ。
「その為のものだからね」
「重要ですね」
「歌劇の中でも」
「そうですね」
「とりわけ」
「ええ、けれどね」
重要は重要でもというのだ。
「はじまりであってね」
「それからが大事ですね」
「何といっても」
「それで終わりではなく」
「はじまりですから」
「大変なのはこれからよ、歌劇でもね」
序曲が終わってというのだ。
「アリアや重唱、合唱にね」
「バレエもありますね」
「作品によって様々な曲がありますが」
「序曲からはじまりますね」
「そこから」
「宣言で終わればね」
それではというのだ。
「物語よ」
「現実は違いますね」
「それでハッピーエンドでなく」
「そこからはじまる」
「そういうものなので」
「だからですね」
「ここで終わりと思わないでね」
はじまりと思ってというのだ。
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