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神々の塔

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第五十三話 半ばを過ぎてその五

「しかしな」
「飲むことは飲むな」
「それでな」
「カクテルか」
「私が好きなのは、それにワインやな」
「そっちも好きやな」
「日本酒も飲むが」
 それでもというのだ。
「一番好きなんはな」
「そうしたお酒やな」
「そして日本に来て冷えたお酒の良さを知った」
 そうもなったというのだ。
「存分にな」
「そやねんな」
「冷蔵庫等で冷やしてもよく」
「ロックにしてもやな」
「ええな」
「ああ、ロックで飲むのは」
 芥川はその飲み方についてこう言った。
「もう王道の一つや」
「日本やとな」
「僕も好きや」
「そやな」
「それでお風呂から出てもな」
 今からそうしてもというのだ。
「その時もな」
「ウォッカをロックで飲むか」
「そうするわ、というかな」
「そうでもないとやな」
「僕は飲めん」 
 ウォッカはというのだ。
「とてもな」
「ストレートではやな」
「出来へん、それでや」
「それはせんな」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「飲むわ」
「そうするな」
「ああ、こうしてサウナで汗をかいて」
 今も汗だくである、八人全員が。
「そして水風呂にも入って」
「お湯の方にもやな」
「入ってな」
 そうもしてというのだ。
「そしてな」
「ウォッカはやな」
「ロックで飲むわ」
「そうするか」
「ああ、是非な」
 こう言って実際にだった。
 芥川は仲間達と共にサウナも水風呂も湯舟も楽しんだ、そうしてその後で勝利を祝う宴に入ったのだが。
 彼は綾乃を見てだ、思わず苦笑いで言った。
「やっぱり綾乃ちゃんはちゃうわ」
「ウォッカストレートで飲むから?」
「それも夏に冷たい麦茶飲む様にな」
 そうした感じでというのだ。
「ぐいぐい飲むからな」
「それでなんやね」
「ほんまな」
 ウォッカをロックで飲みながら言うのだった。
「ちゃうわ」
「これだけ飲めるのはエカテリーナちゃん位や」 
 シェリルも言う、シェリルはウォッカベースのカクテルを飲んでいる。
「ほんまな」
「うちもエカテリーナちゃんもお酒強いから」
「それでな」
「ウォッカもストレートで飲んで」
「それもどんどんな」
「凄いんやね」
「しかもどれだけ飲んでもな」
 それでもというのだ。
「酔わへんやろ」
「いや、気持ちよおなってるで」
 飲んでとだ、綾乃は笑顔で答えた。 
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