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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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11-7

 次の日、ジョギングの恰好で3人は集まって、河川敷のほうへ。

「寒いやんけー」

「走ってるうちに汗出て来るよー 行くよー」と、泉希ちゃんはさっさと川に向かってっいった。利勝君に続いて私も走り出したのだが、確かに、以前と違って利勝君は身体が重そうで、足を出すごとに揺れているお尻を見ながら後から走っていた。

 河川敷に着いて、2段目の土手沿いを走っていたのだけど、100mぐらいからもう利勝君は遅れ出して、2㎞ぐらい走った時には、500mぐらい離れていた。

「ハァー ハァー いきなり こんなん 無理だよー」と、私達のとこに着いた時に

「そんだけ 利勝がぐうたらしてたからだよー 少し 休んだら 折り返すよ あと1往復半」

「えー 無理 無理」

「無理ってことあるかー ウチの知ってる利勝は そんな軟弱な奴 ちゃうでー ほらっ ファイト!」と、泉希ちゃんは、又、反対方向に走り出して、利勝君も渋々走り出していた。それから、何とか1往復半した時、ぜぇーぜぇー言いながら走ってきた利勝君を見て、泉希ちゃんが

「もう 限界か? ここまでにしょっか?」

「そーだよ なんで ここまでー 泉希 恨みあるんか?」

「そんなことないよ ヘタレな利勝 嫌いやモン そんなんやったら 璃々にも嫌われるでー ほらっ 帰らなあかんやろ? もう一回あっちまで がんばろー」と、泉希は、又、走り出した。

 そして、ゴールした時には、遅れて走ってきた利勝君はへたり込んでしまって

「うん この調子で走っていれば 前の利勝が戻って来るわー そやなー まだ10時ごろやろー かっちゃん まだ 開いてへんしなー 一回 帰って シャワーしてくるわー 12時集合な かっちゃんとこで」

「えー なんやー 本気やったんかー? お好み焼き」

「あたり前ヤン ウチもみゅんも いつでも 本気やー なめたらアカン」

 12時にお店の前で集合して、泉希ちゃんはそんなに厚くない黒のセーターと赤のタイトな短めなスカートにマフラーをして駆け足で来た。私は、家の近くなので、やっぱり薄手のグレーのセーターにキュロットだった。

「なっ 明日からはちゃんと学校に来るんやでー」と、言いながら泉希はさっさと豚玉を頼んで、私はいか玉、利勝君はやきそばにしていた。

「うん まぁなー 行くよー 多分」

「なんや 約束できひんのかいなー そうやー みゅん たっ君に頼んで、迎えにきてもらいーなー」

「えっ そんなん 頼むのー」

「顔ぐらい 知ってると思うでー それに 同じ不登校の経験者やー 通じるとこあるんちゃうやろか?」

「泉希 それは言い過ぎやろー 泉希やなかったら 飛び掛かってるでっー!」

「ごめん ごめん ウチ 利勝を元気づけよーと思って・・」

「うん 泉希の気持ちわかる まぁ 同じクラスやしー ウチ等の仲間で何とかするヤン 女の子ばっかーやけどー そうやー たっ君と同じサッカー部に入ったらぁー?」

「うー サッカーかぁー」

「それとも ウチ等とラグビーやるか? 男子は利勝だけやけどー 璃々も居るでー なぁ みゅん?」

「うん それもええなぁー 璃々も利勝君が嫌いなんちゃうと思う あの子 昔から男の子にちゃほゃされてたんやんかー? そやから、慣れっこになっていて、そっけないだけやと思うでー もっと 押して行けば・・・気許すでー 多分・・」

「・・・ラグビー 知らんけどー 泉希とみゅうみゅんが ぉるんゃったらー」

「なんやー 声が小さいぞー よし 決まりやー みゅん たっ君に電話しー 明日のこと」

 私は、たっ君に電話をして、迎えのこと頼んでみて、今 かっちゃんに居るんやけど きーひんか?と言ってしまった。

「なんやー もう 食べてるやんかー」と、たっ君は直ぐに来てくれて

「あっ たっ君 ウチのん 半分 食べてー ウチ お腹いっぱいやしー」

「わぁー でたぁー ふたりの突っつき愛!」

「そんなんちゃうってー ほんまに食べられへんのやー 泉希ぃー」

「まぁ ええわー たっ君 それでな 明日からお願いします 一緒に連れてってー 利勝のこと」

「あぁ わかってる 事情は聞いた」

「それでな 利勝君はラグビーも一緒にやるって」

「えっ それはなー・・・ 女ばっかーやろー?」

「そうやー キャンキャンズは女の子だけやー 別にええヤン」

「・・・みゅうみゅん達は良くっても・・・周りはどう思うやろー? 変な奴とか とやかく言う奴が必ず出て来るぞー 女の子の中に男ひとりやからなっ! それに、不登校気味なんやろー? けっこう、周りって冷たいぞー 面白がる奴も居る その時に立ち向かう覚悟があるかー? 僕は、それを知っているから言うんだけどー 仲が良いって思ってた友達にも裏切られて・・」

「・・・」みんなは黙ってしまったけど

「どうだろう? しばらくはサッカーやってみないか? 1年は8人居るしー すぐに、打ち解けるよー いいやつ等だよ みゅうみゅんのクラスにも・・・居ないかー でも、まぁ みゅうみゅんと仲良くやってれば、仲間が増えて来るよー こいつは不思議なとこあるんだよ」

「なんやー たっ君 みゅうみゅんのことぉー・・・」

 結局、利勝君はサッカーをやってみると言っていたんだ。だけど、私は、たっ君の言葉・・・頼もしかったのだ。ちゃんと、自分の経験を受け留めてるんだと。だから、今は、素敵な友達も居るんだ。家に帰ってからも、私は 感じていた たっ君で良かった っと。そして、夜は たっ君 みゅうみゅんを抱きしめてょー ちゃんと責任とってよネ と思いながら寝てしまった。   
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