星河の覇皇
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第八十五部第五章 北京宣言その七
「もっと言えば文句を言うだけ、政策なぞ出さないならね」
「まさに不要ですね」
「有害とすら言っていいですね」
「そこまでの存在ですね」
「そうよ、最初はそうでなくても人は努力すればよくなるわ」
努力、その重要さにも言及した。
「それは政治にしても同じよ」
「左様ですね」
「政治家も努力してこそよくなりますね」
「勉強してこそ」
「そうしてこそよくなりますね」
「それが何の努力もせず」
そうしてというのだ。
「文句を言うだけ、何でも反対ならね」
「よくなる筈がないですね」
「そうなる筈がないですね」
「そうした政党、政治家は」
「政権も担えないですね」
「そのことを日本人は二十一世紀に思い知ったわ」
その初頭にだ。
「あまりにも無能な政権を選んでしまったね」
「あの政権は僅か三年数ヶ月の政権でしたが」
「その無能さは歴史に残っていますね」
「何も出来ず害毒ばかり垂れ流したので」
「今も言われていますね」
「そのままサラーフ王国のナベツーラ政権だったわ」
サラーフ王国を滅ぼしオムダーマンに勝利をもたらしたと言われているあの政権のことである。サハラに然程関心のない連合でも言われて入いる程だ。
「その無能さは」
「左様でしたね」
「あの政権の無能さはナベツーラ政権に匹敵しましたね」
「幸い日本は滅びませんでしたが」
「あの政権がサハラに誕生すればですね」
「ああなるのよ」
サラーフの様にとだ、伊東は言い切った。
「まさにね」
「その通りですね」
「あの時の日本でも大変でした」
「国防、外交、貿易、財政に悪影響を及ぼし」
「地震にもまともな手は打てませんでした」
「いいところなぞなかったと言ってよかったです」
「同じ様な無能を見せてサラーフは滅んだわ」
無能な政権によってというのだ。
「有能な指揮官を更迭し無能な指揮官を前線に送ってね」
「あれは凄かったですね」
「オムダーマン軍の地滑り的な勝利でした」
「そしてその勝利は無能な政権がもたらした」
「それが現実ですね」
「そうよ、サラーフの様になるわ」
戦乱の地域で無能な政権を選べばというのだ。
「簡単にね、連合では滅びはしないけれど」
「国が傾きますね」
「そうなりますね」
「無能な政権を選ぶと」
「そうなりますね」
「このことは変わらないわ」
人類社会でというのだ。
「民主政治の宿痾の一つよ」
「無能な政治家が国を衰えさせる」
「その政権を選べば」
「その時がそうなりますね」
「古代のアテネはそれで衰えたわ」
伊東はサラーフに続いて今度はこの都市国家の話をした。
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