おぢばにおかえり
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第七十八話 教会長さんその三十二
「そうなって欲しいです」
「だったらね」
私に笑顔で言われました。
「よくお仕込みさせてもらってね」
「そうします」
「勿論布教所の人達もそうされてるし」
新一君の所属のです。
「仰木さんもね」
「あの人ですね」
「それで私達もね」
「お仕込みはおみち全体で、ですね」
「そうよ、けれど特にね」
私を見て言われました。
「千里ちゃんがね」
「やるべきなんですね」
「そうよ、そうしたら千里ちゃんは一生の宝を手に入れるわ」
そうもなるというのです。
「必ずね」
「一生のですか」
「そうよ、しかも阿波野君もそのつもりだし」
「新一君もですか」
「いい教会長さんになろうと思って」
新一君自身もというのです。
「そうしているから」
「だからですか」
「本人が思うと」
この場合はいい教会長さんにです。
「違うわ」
「やる気があるからですね」
「そのやる気を出させて維持させることも大事よ」
「芽を育てることですね」
「そうよ、それもお仕込みで」
白石さんの奥さんはさらに言われました。
「教育よ」
「やる気を出させてですね」
「それを上げて」
「保つことですか」
「絶対に駄目なのはやる気を潰すことよ」
「それは駄目ですね」
私にもわかりました。
「折角やろうと思って」
「それを潰すなんてね」
「親だったら駄目ですね」
「悪い家庭はそうしたこともよくないのよ」
「人を育てないんですね」
「そうなのよ」
私に強い声でお話してくれました。
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