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博士の挑戦状

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第百九話

                第百九話  動物園に着くと
 UFOは一瞬でだった。
 天王寺動物園の前まで来た、博士達はUFOから出るとすぐに元の大きさに戻った。博士はその上で小田切君達に話した。
「では行こうか」
「はい、何か何でもない感じですね」
「行くのは一瞬だからな」
 速さについて言う小田切君に答えた。
「何でもないというとな」
「そうなりますか」
「左様、では行こうぞ」
「はい、ただ博士って何処に行っても断られないですね」
 小田切君はここでこのことにふと気付いた。
「お店でも博物館でもレジャー施設でも」
「ああ、動物園とかは博物館だからな」
「博物館法で定められてますね」
「それで博物館と言うならな」
 それならというのだ。
「動物園もじゃ」
「そうでしたね」
「それでわしは何処も断られんな」
「そうですよね」
「普通に破壊行為をして小悪党供を殺してもな」
「それも遊びで」
「それはわしがちゃんとお金を払ってじゃ」
 それでとだ、博士は小田切君に答えた。
「そうした場所では何もせんことがじゃ」
「わかっているからですか」
「わしが壊すのは小悪党関連ばかりじゃ」
 あくまでというのだ。
「小悪党の建物とかでじゃ」
「殺すのも小悪党だけですね」
「無辜の者には何もせぬ」
 一切とだ、博士は言い切った。
「それは文明発祥の頃から貫いておる」
「だからお断りにはならないんですね」
「左様、ただし嫌な顔はされる」
「うわっ、天本博士」
 早速通りすがりの大阪の兄ちゃんが言ってきた、そうした顔で。
「また何するつもりだ」
「この様にな」
「危険人物とは認識されてますね」
「うむ、しかし断られることはないからな」
「いいですね」
「左様、では中に入ろうぞ」
「それじゃあ」
 小田切君が頷いてだった。
 一行は中に入った、入り口の人も嫌そうだった。
「どうぞ」
「楽しませてもらうぞ」
「そうして下さい」
 嫌そうに応える、だが博士達は確かに中に入ることが出来た。そのうえで動物園の中の生きもの達を観て回るのだった。


第百九話   完


                  2023・10・27 
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