X ーthe another storyー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五十一話 決着その十五
「照れ臭いな」
「そうか、じゃあもう言わない方がいいか」
「出来ればな、それで姫様は」
「わらわはこの通りです」
丁は自分の場所から答えた。
「無事です」
「そうか、そしてもう一人の姫様は」
「もうです」
まさにというのだ。
「わらわがです」
「心の檻に入れてか」
「永遠に封じます、ただ」
「それでもか」
「わらわと話は出来ます」
そうだというのだ。
「自然と」
「そうなのか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「何も憂いはありません」
「死ぬこともないか」
「わらわが死ぬまでは」
「そうか、そしてだな」
「わらわはこれからもです」
丁は穏やかだが確かな声で述べた。
「夢見としてです」
「働くか」
「もう一人のわらわと向かい合いつつ」
封印し己の中に入れた彼女と、というのだ。
「そうしていきます」
「それでいいんだな」
「確かに疲れていました」
丁は神に話した。
「夢見の仕事に」
「そうだったか」
「ですが」
それでもとだ、丁は答えた。
「今は違います」
「考えが変わったか」
「皆さんそしてわらわ自信を見て」
そうしてというのだ。
「変わりました」
「思いがあらたになったか」
「はい」
まさにというのだ。
「そうなりましたので」
「これからはか」
「人間と世界の為に」
「夢見を続けていくか」
「そうしていきます」
「では頼む」
神威は確かな顔で答えた。
「戦いが終わったが俺達はまだやることがあるな」
「天の龍は人間を護り」
「地の龍は地球を護る」
「どちらも今では同じになっていると言っていいですが」
それでもというのだ。
「その様にです」
「わかった、なら俺は天の龍の一人としてだ」
その立場でというのだ。
「姫様を護っていく」
「そうしてくれますか」
「約束する」
毅然としてだ、丁に答えた。
「これからもな」
「ではその様に」
丁は神威の決意を受けた、そのうえで答えた。
「お願いします」
「ではな」
「これからも」
「何かあったら頼ってくれ」
「その様に。贄の役目もです」
「これからもあるな」
「そのわらわを護ってくれるなら」
それならというのだ。
「宜しくお願いします」
「それではな」
「神威、貴方がいてくれてよかったです」
心からだ、丁は神威にこうも言った。
「お陰でわらわは助かりこれからも」
「礼はいい、姫様も仲間だ」
今度は優しい声で告げた。
「それなら当然のことだ」
「わらわもですか」
「そうだ、だからな」
それ故にというのだ。
「いい、ではな」
「それならですね」
「これからも頼ってくれ、ではな」
「今日はこれで」
「また明日だ」
「お休みなさい、神威」
「姫様もな」
丁にこの挨拶もした。
「休んでくれ」
「わらわも休んでいいですか」
「当たり前だ、夢見でも何でもな」
立場はどうでもというのだ。
「いい、休んでな」
「それでは」
「ああ、またな」
「また明日」
「会おう」
神威は丁にこの言葉を告げてだった。
彼女の前を後にした、そして洋館に戻った。そこで仲間達と合流し小鳥と共に宴に入ったのだった。
第五十一話 完
2023・11・8
ページ上へ戻る