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八条学園騒動記

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第七百三十三話 フクロオオカミその一

                フクロオオカミ
 まずはカンガルー達を観たが上等兵はオオカンガルーを観ながら大尉に首を傾げさせながら言った。
「あまり狂暴には見えないですが」
「カンガルーはな」
「ですが連合ではですね」
「狂暴で好戦的な生きものとしてだ」
「知られていますね」
「実際殴って蹴ってだ」
 その様にしてとだ、大尉も答えた。
「人間にもな」
「攻撃してきますか」
「喰らうことはしないがな」
「それでもですね」
「非常に攻撃的でな」 
 そうした性質でというのだ。
「連合ではな」
「警戒されてもいますか」
「オーストラリアでは今も国のシンボルの一つだが」
「地球にあった頃からと同じくですね」
「そうだが」
 それでもというのだ。
「実はな」
「攻撃的でもあるのですね」
「そうなのだ」
「とてもそうは思えないですが」
「迂闊に近寄って攻撃されてだ」
 そのカンガルーにというのだ。
「大怪我を負った話もある」
「そうなのですね」
「それだけだ」
「カンガルーは危険ですか」
「カンガルー同士でも争うしな」
 そうもするというのだ。
「ボクシングをしてな」
「あれですか、つがいを探して」
「そうした状況でな」
「争うのですね」
「そうしたこともするのだ」
「そうですか」
「だから幾ら可愛い外見でもな」
「袋があるのもいいですね」
「しかしな」
 それでもというのだ。
「注意することだ」
「迂闊には近寄らないことですね」
「そうだ、奇麗な薔薇には棘があるというが」
「カンガルーは実はですね」
「そうした生きものだ」
 人間にも好戦的だというのだ。
「そうなのだ」
「ではカンガルーも野生では」
「近寄ってはな」
「迂闊にはですね」
「止めることだ、連合ではな」
「そうしていますか」
「連合は自然も豊かだからだ」
 そうした国だからだというのだ。
「こうした知識も豊富でな」
「気を付けていますか」
「そうしたものを見てもな」
 大尉は真剣な顔で話した。
「やはり連合の者達はだ」
「愚かではないですか」
「騒がしく雑多だが」
 こうした一面はあるがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「頭は悪くない」
 決してと言うのだった。
「そのことは頭に入れておくことだ」
「我々としては」
「敵を侮るとな」
 その様にすればというのだ。
「終わりだ」
「まさにその時点で」
「それで負けた事例に枚挙に暇がない」
「相手を侮って」
「そうだ、そこに油断も生じるしな」
 自分達にというのだ。 
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