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ハッピークローバー

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第百十二話 二つの祭りその七

「一体」
「そうだろ」
「浮気なんてしないし」
 かな恵もまたこうしたことには真面目でこう言うのだった。
「そもそもね」
「だからないよな」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「私もね」
「そうだよな」
「だから安心してね」
「それじゃあな、練習しないとな」
「練習?」
「やっぱり何でもな」
 それこそという言葉だった。
「練習しないとな」
「出来ないわね」
「そうだろ、だからな」
「成海っち練習してるの」
「イメージでな」
 そちらでというのだ。
「してるよ、あとな」
「あと?」
「実際の練習もな、俺自身じゃなくてな」
「あっ、棒ね」
「そうしたのでな」
「練習してるのね」
「そうしてるよ、そういえばな」 
 成海はかな恵にさらに話した。
「もてないからって持ってなくてな」
「練習もなのね」
「してない奴いるけれどな」
「それってよくないのよね」
「今はもてなくてもな」 
 そうだとしてもというのだ。
「何時何があるかわからないからな」
「世の中ってね」
「だからな」 
 それでというのだ。
「いざという時だってな」
「あるわよね」
「三十までだったら魔法使いになるっていうけれどな」
 俗にそうした話がある、だがそれが本当のことなのか成海は知らないしかな恵にしても同じである。
「普通それまでにな」
「経験するっていうわね」
「だからな」 
 それでというのだ。
「持っておいてな」
「練習もしないとね」
「誰だってな、妊娠はもっての他で」
 それでというのだ。
「病気にも気を付けないといけないし」
「成海っち物凄く病気怖がってるわね」
「ああ」
 肯定しての返事だった。
「実際にな」
「怖いわよね、この手の病気って」
「エイズも怖いけどな」
 それでもと言うのだった。
「俺梅毒の話聞いてな」
「本当に怖いって思ったのね」
「あんな死に方しなくないよ」
 梅毒の症状によってというのだ。
「身体ボロボロになって頭おかしくなってな」
「そうして死ぬとか」
「もうな」
「絶対にっていうのね」
「したくないよ」
「それでそう言うのね」
「ああ、ゴムは必要だよ」
 絶対にという言葉を出して言った。 
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